
監修医師:
柳 靖雄(医師)
東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。
視神経炎の概要
視神経炎とは、目に入る光を脳に伝える視神経に炎症が起こる疾患です。視神経は眼球の後ろに位置し、目に入る光を電気信号に変えて脳に伝える重要な役割を持ちます。
視神経炎では「副鼻腔炎」や「多発硬化症」「髄膜炎」などのさまざまな疾患や、本来体を守るはずの免疫が誤って視神経を攻撃してしまう「自己抗体」などが原因となり、視神経に炎症をきたします。その結果、目がかすんで見えたり視野が欠けたりするほか、視力の低下、眼球の痛みなどの症状が生じることがあります。
1995年の疫学情報によると、視神経炎は10万人に約2人の確率で発症し、そのうち全体の66%を14歳〜55歳までの人が占めると報告されています。
視神経炎治療では、原因となる疾患を治療するほか、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬を用いた薬物療法、血液中の不要な物質を除去する「血漿浄化療法」などが行われます。
出典:難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)難病情報センター「視神経炎」

視神経炎の原因
視神経炎は、抗MOG抗体や抗アクアポリン4抗体による自己抗体の攻撃や、動脈硬化、多発性硬化症、鼻性視神経炎などによって発症します。
しかし、特別な原因なく発症するケース(特発性視神経炎)が最も多いです。

