視神経炎の前兆や初期症状について
視神経炎では、急激な視力の低下や視野の欠損が起こるほか、目を動かすときに痛みを感じたり、瞳の大きさが変化したりすることがあります。赤や緑などの特定の色があせて見えることもあります。
視神経炎は片目に発症するケースが多いですが、両目に発症するケースもあります。
視神経炎の検査・診断
視神経炎が疑われる場合は、一般的な視力検査や視野検査に加え、眼底検査や蛍光眼底造影検査、中心フリッカー検査、光干渉断層計(OCT)などの眼科検査や、血液検査、MRI検査、造影CT検査、髄液検査、側頭動脈生検などの全身検査が行われます。
眼底検査
眼底を観察して視神経や網膜、血管などの状態を調べる検査です。散瞳薬を点眼して瞳孔を広げ、眼底部を観察します。眼底カメラと呼ばれる特殊なカメラを使用して記録する事もあります。
蛍光眼底造影検査
「フルオレセイン」と呼ばれる色素を含む造影剤を注射して、眼底の状態を詳しく調べる検査です。注射した造影剤は心臓を通って視神経にたどり着くため、その経過をカメラで追って確認します。
中心フリッカー検査
視神経の機能を調べる検査です。点滅する光に対する感度を調べることができます。
光干渉断層計(OCT)
近赤外線を利用して目の奥にあたる眼底部の輪切り画像(断層像)を調べる検査です。視神経線維の厚さなどを調べることができます。
血液検査
全身の状態を調べるために行います。感染症や体内の炎症反応の有無、視神経に対する自己抗体の有無などを調べます。
MRI検査
強力な磁気を利用して体内の組織の断面図を調べる検査です。視神経の炎症の程度や脳の疾患の有無を調べるために行います。
造影CT検査
造影剤を投与して体内の組織の断層像を確認する検査です。通常のCT検査では確認できない細かい病変も確認できます。
髄液検査
脳や脊髄に存在する髄液を採取する検査です。背中に針を刺して脊髄の周りの空間に流れる髄液を採取し、その中に含まれるタンパク質などの状態を顕微鏡で確認します。
側頭動脈生検
側頭動脈と呼ばれる血管を一部採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。検査は脳神経外科で全身麻酔によって行われます。

