
監修医師:
白井 沙良子(医師)
小児科専門医(日本小児科学会)。「International Parenting & Health Insutitute Sleep Consultant(妊婦と子どもの睡眠コンサルタント)」保有者。慶應義塾大学医学部卒業。『はたらく細胞BABY』医療監修。2児の母。
肥厚性幽門狭窄症の概要
肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)とは、胃の出口にある幽門部の筋肉が厚くなることで胃の出口が狭くなる子どもでみられる病気です。筋肉が肥厚する原因ははっきりとはわかっていません。
生後3~6週間頃に発症することが多く、1000人に1〜2人の割合でおこります。男児に多く、出生順では第1子に多いといわれています。
肥厚性幽門狭窄症では、母乳やミルクが胃から十二指腸へ流れづらくなり、胃の中に母乳やミルクがたまります。その結果、胃の内容物が胃から食道へ逆流し、飲んでも繰り返し嘔吐します。
授乳後、噴水のように勢いよく大量に嘔吐することが特徴です。吐いた後でも空腹のため、すぐに母乳やミルクを飲みたがる場合もあります。
赤ちゃんは嘔吐を繰り返していると母乳やミルクの吸収不足で脱水症状が現れ、しだいにぐったりしてきます。さらに進行すると、栄養不足による体重減少がみられるようになります。治療開始が遅れるにつれ、脱水や栄養不足が顕著となります。
赤ちゃんが嘔吐することはよくあることですが、嘔吐を主症状とする病気には肥厚性幽門狭窄症のほかに、胃軸捻転症、胃食道逆流症などがあります。胃軸捻転症や胃食道逆流症であれば、授乳後にげっぷをしっかり出すことでしだいに症状の改善がみられることもあります。しかし体重が減少している場合には注意が必要です。
肥厚性幽門狭窄症は発症頻度の高い疾患ではありませんが、発見が遅れると脱水や低栄養から命の危険につながる場合もあります。また乳児の成長や発達に関わるため、手術等により速やかに胃の通過障害を改善することが重要です。

肥厚性幽門狭窄症の原因
肥厚性幽門狭窄症の原因は、胃の出口である幽門部の筋肉が分厚くなってしまうことです。筋肉が厚くなる理由ははっきりとわかっていません。

