宮崎あおい“四季”の「さよなら」の相手、視聴者がホッとする一方で切ない選択でもあった<ちょっとだけエスパー>

宮崎あおい“四季”の「さよなら」の相手、視聴者がホッとする一方で切ない選択でもあった<ちょっとだけエスパー>

四季(宮崎あおい)が記憶を取り戻す
四季(宮崎あおい)が記憶を取り戻す / (C)テレビ朝日

大泉洋主演、野木亜紀子脚本のドラマ「ちょっとだけエスパー」(毎週火曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系/TVerにて配信)の第7話が12月2日に放送された。前回放送後の予告から視聴者が気になっていた四季(宮崎あおい)が「さよなら」を告げるシーンが反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)

■野木亜紀子オリジナル脚本のジャパニーズ・ヒーロードラマ

同作は、ヒットメーカー・野木による完全オリジナル脚本のジャパニーズ・ヒーロードラマ。大泉演じる、人生詰んだどん底サラリーマンである主人公・文太が触っている間だけ心の声が聞こえるという“ちょっとだけ”エスパーになって世界を救うことに。

文太と暮らすことになる謎の女性・四季役を宮崎あおい、文太の仲間となる花咲か系エスパーの桜介役をディーン・フジオカ、レンチン系エスパーの円寂役を高畑淳子、アニマルお願い系エスパーの半蔵役を宇野祥平、文太らに接近する謎の大学生・市松役を北村匠海、文太らにミッションを課す会社社長・兆役を岡田将生が務める。

■現在と未来が混濁する四季の記憶の理由

四季の夫である“文(ぶん)ちゃん”は、文人(ふみと)という本名を持つ兆だった。ただ、現在の兆は立体映像で、未来の2055年に実体がある――。第7話では、兆と四季の関係がさらに明らかになった。

2025年現在で四季はまだ文人とは出会っていなかった。2人が出会い、結婚するのは翌年のこと。兆は、半年前に“ナノレセプター”という液体を四季に飲ませ、10年分の記憶を無意識下にインストールして四季を救おうとしていた。だが、途中で停電が起きてインストールが失敗。そのため、脳の奥に格納されるはずだった記憶が入り混じって2025年には出会ってもいなかった“夫”を求めてさまようことになり、円寂をそばにいさせたが、それだけでは足りなくなって、文太を夫代わりにあてがったのだ。

■未来の文人か、現在の文太か…四季が選択する

兆は四季に再びナノレセプターを飲ませようとする。飲めば混乱は収まるが、文太との半年におよぶかりそめの夫婦生活の記憶は消えてしまう。

文太が密かにその様子を見守る中、四季は驚きの決断をした。

「わかった。さよなら」と言って、手に持っていたナノレセプターの瓶をフッと吹き飛ばしたのだ。四季は誤って兆が作ったエスパーが発現するEカプセルを飲み、“フッ飛ばし系”エスパーとなっていたのだが、ここでその力を活用したのは皮肉といえようか。

そして四季は言う。「私の“ぶんちゃん”は文太。あなたじゃない」。そこに文太が姿を現し、2人は歩み寄って抱き合った。

振り返ると第7話の中盤、四季は自宅に帰って来て手を洗っている文太の背中に甘えるようにおでこをつけた。そして、エスパーとして心が読める文太に「何を考えているでしょうか」と問い、「それじゃ聞こえませんよ」と文太が言うと、文太の手をとって自分のほほに当てた。

「嫌いになった?一緒にいたくない?」。四季の心の声に文太は小さく首を振り、「嫌いなわけないでしょう」と答えた。文太が濡れてしまったほほを拭いてやると、四季は文太の胸に手をあて「聞こえたらいいのに」とポツリ。本当の声を求めた四季の切ない言葉だったが、第4話で描かれたように文太の思いは「愛してるよ」なのだ。

かりそめで始まった文太と四季だったが、いつしか本当の愛が生まれていた。視聴者は「文太を選んでくれてよかった」「うれしい」「好きになっちゃうよね」とあんどする一方で、四季を守ろうとこの壮大な計画を実行している兆に対して「切ない」「かわいそうかも」といった声も上がった。

兆の四季を救うため、というのが何から救うのかというのはまだ明らかになっていない。また、市松の知る「1000万人が死ぬ」という未来も。ただ、兆の過去の改ざんは予定通りにはいかずに、ほころびができ始めたのは確か。まだまだ謎に満ちた本格SFの物語から目が離せない。

※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たつさき」

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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