大人のおしりにかぶれができて痛いのを治すには?メディカルドック監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。

監修医師:
池澤 優子(あい皮ふ科・アレルギー科クリニック)
順天堂大学医学部卒業。横浜市立大学皮膚科助教、茅ヶ崎市立病院皮膚科部長を歴任後、神奈川県横浜市、あい皮ふ科・アレルギー科副院長として地域の皮膚科、アレルギー疾患の診療に努めている。医学博士。皮膚科学会専門医、アレルギー学会認定医の資格を有する。
大人のおしりがかぶれて痛い症状で考えられる病気と治し方
おしりのかぶれは、赤ちゃんだけではなく、大人でも起こり得る症状です。
ここでは、大人のお尻かぶれの原因や対処法、何科を受診すればよいかなどについて解説します。
大人のおしりがかぶれて痛い症状の主な原因と対処法
おしりは、下着などにつつまれるために蒸れやすく、高温多湿にもなりやすい環境です。
大人のおしりのかぶれは、多くは排泄物やおむつ、生理中の経血やナプキン、下着が合わないなどによる刺激性の皮膚炎であり、まれにアレルゲン(外用薬等)による接触性皮膚炎があります。痛みを伴うことは接触性皮膚炎のみでは少ないと考えられますが、かきむしったりして痛みが生じることはあります。
かゆみなどの治療薬が原因になることもあります。例えば、アレルギー性接触皮膚炎の原因物質として、カンジダなどの真菌に対するイミダゾール系抗真菌薬などが挙げられます。
また、おしり関連では、肛門の病気が関係している場合も見受けられます。切れ痔やかぶれかと思っていたら、実は肛門そうよう症という病気だったというケースもあります。この病気は、肛門のむずむずとしたかゆみがあるためにかきむしってしまい、痛みが生じることもあります。
さらに、痔などに対する薬に配合されている、塩酸ジブカインやブラジオマイシンによるかぶれなどもあります。これらは、肛門や腟周囲の皮膚だけでなく、粘膜部からも吸収されるので、全身性接触皮膚炎を引き起こすこともまれにみられます。
おしりがかぶれていると、皮膚のバリア機能が低下し、毛包炎 などの細菌感染や、カンジダ症などの真菌感染などが起こりやすい土台ができてしまいます。これらがお尻の痛みの原因となる場合もあるでしょう。
大人のおしりが汗でかぶれて痛い症状の主な原因と対処法
汗をよくかく季節などには、下着の中でおしりの皮膚が高温多湿になり、あせも(汗疹)ができることがあります。あせもの一種である紅色汗疹は、強いかゆみを引き起こしますが、チクチク感も現れることもあります。
大人のおしりかぶれがただれて痛い症状の主な原因と対処法
おしりがただれて痛みを伴う場合、カンジダ性間擦疹(かんさつしん)なども考えられます。汗をかく部分が不潔になり、皮膚と皮膚が擦れ合う場所に生じ、進行するとただれることもあります。なお、特に乳児のおむつがあたる部分に生じるものは、カンジダ性おむつ皮膚炎とも呼ばれます。しかし、高齢者の方でもおむつをつけている場合には同様の症状が起こる可能性があります。抗菌や抗真菌薬の投与などが必要な場合もあるため、ただれや痛みが強い場合は皮膚科を受診しましょう。
大人のおしりかぶれが水ぶくれになって痛い症状の主な原因と対処法
かぶれに加えて水ぶくれもあり、痛みも強い場合は、例えばかぶれた部分に細菌や真菌が感染しているなどの状態が考えられます。また、黄色ブドウ球菌の感染が起こると、小さなものから大きなものまでのさまざまな水ぶくれが生じることもあります。
水ぶくれが生じているときは、特に皮膚を清潔に保ち、潰さないようにしましょう。原因が接触性皮膚炎なのか、あるいはカンジダ性皮膚炎なのか、細菌感染症なのかによっても治療法は異なります。皮膚科の受診を検討しましょう。
すぐに病院へ行くべき大人のおしりにかぶれができて痛いに関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
大人のおしりかぶれが痛くて悪化する場合は、皮膚科へ
おしりのかぶれに加え、皮膚にぶつぶつができて膿が出る、急速に赤みや水ぶくれが広がるような場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。もしご自身で市販薬などを塗っている場合は、医療機関を受診する際に持参しましょう。使用している下着やナプキン、おむつなどの材質の情報も役立ちます。自己判断で、改善しないのにステロイド薬を長期間塗ることは避けましょう。
病院受診・予防の目安となる「大人のおしりにかぶれができて痛い」ときのセルフチェック法
・かぶれが2〜3日以上続く場合
・かゆみや痛みが悪化してきた場合
・排便時に強い痛みを伴う場合

