3. 病気の可能性(口内炎、消化器系疾患、慢性腎臓病など)
最後の3つ目は、病気の可能性です。
猫の食欲低下には、口腔内トラブル(口内炎など)や消化器系疾患、慢性腎臓病などが影響している場合があります。
口腔内トラブルは、よだれや口臭悪化などの兆候が見られ、消化器系疾患は、一般的に嘔吐や下痢などを伴います。また、慢性腎臓病になると、多飲多尿の症状が表れがちです。愛猫の異変に気づいた時点で、動物病院に連れていってあげてください。
前項でも説明しましたが、24時間以上に渡って食欲不振に陥ると、猫の健康上、非常に危険です。
猫の絶食状態が2~3日続くと、「肝リピドーシス(脂肪肝の一種)」のリスクが急激に高まります。
肝リピドーシスとは、猫の肝臓に脂肪が溜まることにより、肝機能が著しく低下する危険な病態のことです。
何日も食べなくなった猫の体内では、不足したエネルギーを脂肪で補おうとするメカニズムが働きます。しかし、あまりにも大量の脂肪が運ばれるため、許容範囲を超え、処理しきれなくなった分が、肝臓にどんどん溜まっていきます。
その結果、肝臓内に過剰な脂肪が蓄積され、肝リピドーシスに陥ります。
肝リピドーシスのサインは、嘔吐や無気力、黄疸が代表的です。重篤化すると、命を落とす危険性もあるので、十分に注意してください。
食欲減退で病院に行く目安としては、「生後3か月以下は8時間」、「生後4~6か月は16時間」、「成猫は24時間以上」となっています。
肝リピドーシスは、特に肥満体質やストレスに弱い猫に発症しやすいのが特徴です。何も食べてない状態が長時間続くようであれば、念のため、動物病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
今回は、猫の食欲が低下する原因として、「フードの好き嫌い」、「心理面と老化現象」、「病気の影響」を挙げました。
本文でも触れましたが、成猫で24時間以上も絶食が続くと、何らかの病気の可能性が考えられます。そのまま放置すれば、肝リピドーシスのリスクが一段と高くなるため、早急に動物病院へ連れていくようにしてください。

