しかも、12月の放送は「名探偵津田」のみで、12月3日は「名探偵津田 長袖SP」として第3弾の未公開映像を放送すると公表された。12月17日は第4弾の前編、12月24日は第4弾の後編を放送するという。超人気番組がダイアン・津田篤宏に全ベットする予想外な展開を迎えている。
「犯人を見つけるまで抜け出せない」ドッキリ企画の魅力
この「名探偵津田」だが、「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せない」というドッキリ企画で、第1弾を2023年1月、第2弾を同年11月、第3弾を2024年12月に放送。津田が見せるリアルなリアクションが話題を集め、今年の「新語・流行語大賞」のノミネート語30に企画内で登場した「長袖をください」というセリフが選ばれるほど反響を呼び、その勢いのまま最新作の第4弾が放送されることとなった。放送を見ていない人には、なぜここまで「名探偵津田」が人気なのか理解不能だろう。そこでこの記事では、過去の放送を基に「名探偵津田」の魅力を整理してみたいと思う。
まず、同企画は前述したとおりドッキリ企画で、津田は何も知らされずにミステリードラマの主役に仕立て上げられる。しかも、一部の芸人を除いて全員が「ドラマ側」の出演者で、津田が何か質問しても回答してはくれない。現実とドラマという虚構が混ざり合いながら、苦悩して事件を解決する津田の姿が新鮮で爆発的なヒット企画となった。
主役・津田の人間臭さが生む笑い
この企画の魅力は、主役を務める津田の人間臭い部分が全編にわたって見られるところだ。ドッキリ企画なのでまったく乗り気でない津田は、要所で愚痴をこぼしながら嫌そうな態度で謎解きを行う。通常のミステリードラマでは絶対に見られない主役のやる気のなさを体感できる。そして、津田というツッコミの名手が主役なのもこの企画の魅力だ。「名探偵津田」に前向きではない津田は、さまざまな場面で悪態をつきツッコミを入れ続ける。第1弾では山奥のペンションが舞台で、大雨により橋が落ちて孤立状態になる設定だったが、「ブンブンブンブン車通ってるよ」と無理やりなストーリー展開にツッコミ。
また、第3弾では新潟のホテルが舞台となったが、深夜の労働や何度も起こされる嫌がらせを受け、津田が「東京に帰る」とマジギレする場面も見られた。
津田は、どんな細かいことでもツッコミを入れ悪態をつくので、バラエティ番組としておもしろくなり、視聴者はドラマに引き込まれる構成となっている。数多くの芸人がいる中、ツッコミがうまくすぐイライラする人間性の津田だからこそ成立する企画になっている。

