●対立の形が進み、駐車場解約と暗証番号変更を予告
賃料交渉と並行して、大家から夫婦への働きかけが強まっていった。
大家は今年5月27日、夫婦に「6月27日の駐車場契約の解約」を通知した。
「この日をもって暗証番号が変わり、内部に貴殿の自動車の有無にかかわらず、閉じ込められてしまうので、同日以降は物を置かないで」としたうえで、駐車場代3万8500円をさかのぼって支払えば、この強制作業を中止するとも告げた。

この通知の3日後、夫婦は「駐車場の利用妨害禁止」を求める仮処分を申し立て、東京地裁は6月19日、妨害禁止を命じる仮処分を決定した。
●「暗証番号変更」vs「借主による法的対抗」
このようなトラブルを通じて、双方が互いを訴えた。
まず、大家は、賃料が安すぎるとして賃料増額を求め、2024年7月15日以降の月額賃料(計約24万円)や増額分との差額の支払いなどを求めた。
一方、夫婦は、増額請求に「合意した賃料を超える増額事由はない」として争う姿勢をみせつつ、大家による駐車料金の無断引き落としの返還や、一方的な契約解除通知が不法行為にあたるとして、損害賠償を求める反訴を提起した。

