
風立ちぬ神無月。朝夕は涼しさを感じる一方で、日中はまだ夏日が顔をのぞかせる。海の中では季節の移ろいが静かに始まり、今季も浅場でカワハギが好調との報せが届いた。久里浜駅のほど近く、カワハギの老舗『山下丸』を訪ねた。
アクセス抜群の老舗船宿
創業70年。全国に先駆けてカワハギ専門乗合を始めた『山下丸』の船着場は、久比里・夫婦橋の袂にある。
車なら横浜横須賀道路・佐原ICから約10分。ナビに「横須賀市久比里2-6-10」と入力すれば迷わない。電車派にも嬉しい立地で、JR横須賀線・京急「久里浜駅」から徒歩6分。道中にはコンビニもあり、週末の駐車場混雑を考えると電車釣行もお勧めだ。
到着後は船縁に竿を挿して釣座を確保し、乗船カードを記入、受付で乗船料を支払い、氷券とエサのアサリを受け取る。仕掛けは船でも購入可能だが、フグによる消耗が激しいため予備を多めに準備しておきたい。
昔ながらのアサリ殻むきの音をBGMに荷物を積み込み、エサの下ごしらえを終えたら出船準備完了。この日は平日ながら予約多数につき、2隻出しのゆったり釣座で出船。「第三十一 山下丸」は定刻前に河岸払いとなった。
スタートからアタリ活発!
桟橋を離れ、穏やかな海を走ること約30分。到着したのは竹岡沖、水深10mの浅場。開始からわずか2分、最初に竿を曲げたのは左舷胴の間の津牧さん。竿先を小気味よく叩くファイトで手のひらサイズのカワハギを抜き上げた。その直後、左舷トモにはワンサイズ上が、右舷ミヨシにはワッペンサイズと次々に本命が取り込まれ、この海域の魚影の濃さを印象づけた。
やがてフグの猛攻が始まり、仕掛けを止めるとすぐにハリを奪われる難局も。それでも根を見極め、細かなアタリを逃さず拾った釣り人から魚桶が満たされていった。

