大腸がんのため、俳優・中島ゆたかさんが11月27日に亡くなっていたと報じられています。73歳でした。そこで医師の和田先生に大腸がんの初期症状・原因・検査法・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説してもらいます。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。
「大腸がん」とは?
大腸とは水分の吸収を行い、便を作るはたらきをしている全長1.5〜2mの長さの筒状の臓器です。大腸がんとは、この臓器に発生するがんのことで、大腸がんと診断される方は年々増え続けています。2019年の報告では男性は前立腺がんについで第2位、女性は乳がんについで第2位です。また部位別のがん死亡数も、男性は肺がん、胃がんについで第3位、女性は第1位となっています。
大腸がんの前兆となる初期症状
大腸がんは初期では自覚症状がほとんどありません。進行すると徐々に下記のような症状が出てきます。
腹痛
大腸がんは初期の段階では症状が乏しく、ある程度病気が進行した場合には腹痛を認めることがあります。市販の痛み止めで一時的に痛みを和らげることはできますが、根本的な治療にはならないため、注意が必要です。
主な診療科は、消化器内科です。腹部CT検査などを行う場合が多いです。痛みが軽ければ緊急性はありませんが、痛みが強い場合には早めに受診しましょう。
血便
大腸がんは初期の段階では症状が乏しく、ある程度病気が進行した場合には血便を認めることがあります。慢性的な症状ですので、簡単には改善しません。
主な診療科は、消化器内科です。血液検査や下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を行う場合が多いです。血便がみられた場合には必ず病院を受診しましょう。また血便の回数や量が多い場合は、すぐに受診しましょう。
便秘
大腸がんは初期の段階では症状が乏しく、ある程度病気が進行した場合には便秘を認めることがあります。左側結腸がん(大腸の左側に発生するがん)では、腹痛を伴った便秘が出現することがあります。また“便が細くなった”と表現される方もいらっしゃいます。慢性的な症状ですので、簡単には改善しませんが十分な食物繊維の摂取や水分補給を心掛けましょう。
主な診療科は、消化器内科です。腹部CT検査などを行った上で下部消化管内視鏡検査を施行する場合が多いです。緊急性はありませんが、便秘が1週間近く続く場合や腹痛を伴う場合は早めに病院を受診しましょう。また嘔吐を繰り返す場合には、すぐに病院を受診しましょう。
貧血
大腸がんは初期の段階では症状が乏しく、ある程度病気が進行した場合にはがんからの出血に伴う貧血を認めることがあります。貧血が進行するとめまいやふらつき息切れなどの症状をきたす場合があります。慢性的な症状ですので簡単には改善しませんが、自宅でできる対処法は市販の鉄分のサプリメントや鉄分が多く含まれるレバーをはじめとした肉類や魚介類などを摂取することです。
主な診療科は、消化器内科です。血液検査や上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)、下部消化管内視鏡検査を行う場合が多いです。緊急性はありませんが、貧血を指摘された場合には必ず病院を受診しましょう。またふらつきや息切れなどの症状がある場合にはなるべく早めに病院を受診しましょう。

