脊髄炎の治療
脊髄炎の治療は、原因に応じて適切なアプローチを選択することが大切です。治療の主な目的は、炎症を抑制し、神経系の損傷を最小限に抑え、症状の改善を図ることです。
急性期治療の中心となるのは、高用量のステロイド療法です。メチルプレドニゾロンなどの静脈内投与により、強力な抗炎症効果を発揮し、症状の改善を図ります。ステロイド治療の効果が十分に得られない場合や重症例では、血漿交換療法や免疫グロブリン大量静注療法が行われます。
ウイルス感染によって脊髄炎が発症している場合、抗ウイルス薬の投与が行われます。ヘルペスウイルスが感染しているケースではアシクロビルなどが使用されます。細菌感染によって発症している場合は、適切な抗生物質を用いた治療が必要です。
自己免疫疾患に関連する脊髄炎の場合、長期的な免疫抑制療法が必要になることがあります。リツキシマブやアザチオプリンなどの薬剤が使用され、再発予防や症状のコントロールを図ります。
脊髄炎は、急速に症状が進行するばあいや脊髄中心部に病変があったりする場合には予後不良となる場合が多くあります。一方で、発症後3ヶ月以内に症状が改善した場合は長期的な予後が良好だと言われています。
脊髄炎になりやすい人・予防の方法
脊髄炎はさまざまな要因によって引き起こされる可能性があるため、特定の人がなりやすいと一概に言うことは難しいものの、いくつかのリスク因子や予防方法があります。
リスクが高いと考えられる人には、以下のような特徴があります
自己免疫疾患(特に多発性硬化症や視神経脊髄炎)の既往歴がある人
ウイルス感染や細菌感染のリスクが高い人(免疫機能が低下している人など)
特定の薬剤(一部の抗生物質やNSAIDsなど)を長期的に使用している人
家族歴に自己免疫疾患がある人
完全に脊髄炎を予防することは難しいですが、以下のような方法でリスクを軽減できる可能性があります。
感染症の予防
手洗いやマスク着用などの基本的な衛生管理を徹底し、ウイルスや細菌感染のリスクを減らします。必要に応じてワクチン接種を受けることも大切です。
健康的な生活習慣
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、全体的な健康管理を行うことで免疫系を強化し、感染や炎症のリスクを減らせる可能性があります。
ストレス管理
慢性的なストレスは免疫系に悪影響を与える可能性があるため、解消法を見つけ、実践することが大切です。
定期的な健康診断
特に自己免疫疾患の家族歴がある場合は、定期的な健康チェックを受けることで、早期発見・早期治療につながる可能性があります。
薬剤の適切な使用
脊髄炎は薬剤が原因となることもあるため、医師の指示に従って適切に使用します。長期的な使用が必要な場合は定期的な経過観察を受けることが必要です。
環境要因への注意
喫煙や特定の化学物質への曝露などが自己免疫疾患のリスクを高める可能性が示唆されています。これらの因子を避けることで、リスクを減らすことが可能です。
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難病情報センター「多発性硬化症・視神経脊髄炎」

