猫は歯の病気にかかりやすい!? 猫に多く見られる3つの「口内トラブル」とは |獣医師解説

歯肉炎の症例写真


歯の吸収病巣は、以下の3タイプに分けられます。

タイプ1


歯の吸収病巣タイプ1
参考・写真/「ねこのきもち」2025年11月号『構造・役割・病気・お手入れ まとめて理解することで、知識深まる! 猫の歯のすべて』より フジタ動物病院提供

歯冠(歯の見えている部分)のみが溶け、歯根が残るタイプ。見た目では赤い歯肉が歯冠を覆い、X線写真では歯冠部分がところどころ黒く見えます。

歯肉が歯冠を覆っている


見た目にあらわれる症状
参考・写真/「ねこのきもち」2025年11月号『構造・役割・病気・お手入れ まとめて理解することで、知識深まる! 猫の歯のすべて』より フジタ動物病院提供

タイプ2


歯の吸収病巣タイプ2
参考・写真/「ねこのきもち」2025年11月号『構造・役割・病気・お手入れ まとめて理解することで、知識深まる! 猫の歯のすべて』より フジタ動物病院提供

歯冠も歯根も溶け、骨組織に吸収されるタイプ。中央の歯の歯根の輪郭が確認できますが、右の歯の歯根は溶けて輪郭がなくなっており、骨組織に置き換わっています。

タイプ3


歯の吸収病巣タイプ3
参考・写真/「ねこのきもち」2025年11月号『構造・役割・病気・お手入れ まとめて理解することで、知識深まる! 猫の歯のすべて』より フジタ動物病院提供

タイプ1とタイプ2が併発しているタイプ。1つの歯に2つの歯根がある場合、片方の歯根のみ吸収されている状態。写真の左端の歯は、左側の歯根のみ吸収され、骨と同化しています。

予防法はなく早期発見を心がけることが大切


原則として予防法はありません。見た目での罹患率は約30%ですが、歯科X線検査で調べると約60%に上り、見た目では気付きにくいのが特徴です。また、慢性腎臓病や歯周病との関連を指摘する報告も。早期発見のためには、定期的な口腔検診が重要です。

猫が元気で長生きするためには、歯の健康が欠かせません。愛猫の歯について気になることがある場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。

お話を伺った先生/藤田桂一先生(フジタ動物病院院長 獣医学博士)
参考・写真/「ねこのきもち」2025年11月号『構造・役割・病気・お手入れ まとめて理解することで、知識深まる! 猫の歯のすべて』
文/長谷部サチ

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