「先天性風疹症候群」を防ぐために 妊娠前に知っておくべき抗体検査とワクチンを医師が解説

「先天性風疹症候群」を防ぐために 妊娠前に知っておくべき抗体検査とワクチンを医師が解説

先天性風疹症候群の症状について

先天性風症候群の主な症状は以下のとおりです。

難聴

白内障

先天性心疾患

難聴

難聴は妊娠3カ月以降の女性が風疹に感染した場合でも出現する可能性があり、先天性風疹症候群の80〜90%の割合で出現する症状です。(出典:国立感染症研究所「先天性風疹症候群にみられる難聴」)

先天性風疹症候群による難聴の程度は軽度から重度まで幅広く、左右どちらかの一側に出現することもあり、症状の出現の仕方がさまざまです。

白内障

白内障は妊娠3カ月以内の女性が風疹に感染した場合に発症することが多く、先天性風疹症候群の約30%の割合で認められる症状です。(出典:日本周産期・新生児医学会「先天性風疹症候群(CRS)診療マニュアル」)

白内障による水晶体の白濁は、全体に白濁すると肉眼でも確認できますが、部分的に白濁している場合は肉眼での発見が難しい場合もあります。

先天性心疾患

先天性風疹症候群の心疾患では、動脈管開存症や心室中隔欠損症などが認められることがあります。
妊娠3カ月以内の女性が風疹に感染した場合に発症しやすいとされます。(出典:工藤典代「先天性風疹症候群の予防と対応」千葉県県立保健医療大学健康科学部栄養学科)

先天性風疹症候群の検査・診断

先天性風疹症候群を診断するための検査は以下のとおりです。

血液検査

ウイルス分離同定検査

PCR検査

血液検査

血液検査では風疹ウイルスに対する IgM抗体と IgG抗体を調べます。

IgM抗体は感染症の急性期に産生されるもので、新生児は胎児のときにすでに風疹ウイルスに感染しているため、出生後の血液検査でIgM抗体の上昇が認められます。

IgG抗体はIgM抗体よりも少し時期が遅れて産生される抗体です。

どちらの抗体検査も先天性風疹症候群の診断をする際に重要な手がかりとなります。

ウイルス分離同定検査

ウイルス分離同定検査とは、新生児の咽頭ぬぐい液や唾液、尿から風疹ウイルスを直接調べる方法です。

全ての医療機関で実施されている検査方法ではありませんが、風疹ウイルスに感染している子どもからは長期間風疹ウイルスが検出できるため、疑わしい場合は早めに検査を受けることが大切です。

PCR検査

PCR検査は風疹ウイルスの遺伝子を確かめる検査です。

ウイルス分離同定検査と同様に咽頭ぬぐい液や唾液、尿を調べることが多く、白内障をきたしている水晶体の一部を利用して調べる場合もあります。

PCR検査は微量のウイルスでも検査することができ、感度も良い点が特徴です。

ただし検査できる医療機関は限られているため、先天性風疹症候群を疑う場合は早めに実施できる施設を探して検査を受けてください。

配信元: Medical DOC

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