捻挫と間違われやすい「舟状骨骨折」見分けるポイントと初期対応を医師に聞く

捻挫と間違われやすい「舟状骨骨折」見分けるポイントと初期対応を医師に聞く

舟状骨骨折の治療

舟状骨骨折の治療では手関節と親指をギプスで固定します。固定によって舟状骨の治癒を促進し、偽関節化を予防することが目的です。しかし、ギプス固定をしても舟状骨の血行が悪いため、骨が完全にくっつくまで時間がかかるケースも多くあります。

また、長期間のギプス固定は関節可動域の制限や筋力の低下を伴うため、ギプスが外れた後はリハビリが必要になります。リハビリで手首の関節可動域訓練や筋力トレーニングをおこなうことで少しずつ手関節や親指を動かせるようになります。しかし、ギプス固定の期間が長くなるほど、リハビリで回復する時間も長くなるケースが多いです。

長期間のギブス固定を避けるために、最近ではスクリューを舟状骨に挿入し固定する方法も選択されるようになりました。スクリューを挿入する手術は切開部分が1cm程度と小さいため、レントゲンで確認しながらおこないます。体への負担が小さいため入院する必要もなく、ギプス固定と比較して日常生活での負担を抑えられるため若年者だけでなく高齢者にも向いている方法です。

舟状骨骨折の治癒が不良で偽関節化した場合は、修正するために大きく切開する必要があります。偽関節の修正には舟状骨だけでなく、周囲の手根骨を含めた他の骨の配列も改善する必要があるため、治癒するまでにより時間がかかります。

舟状骨骨折になりやすい人・予防の方法

舟状骨骨折は、高齢者などの頻回に転倒する人や、サッカーやラグビーなどの激しい接触を伴うスポーツ、野球やテニスなどのバットやラケットを使うスポーツをする人に受傷しやすいです。

予防方法は転倒を防ぐことが重要です。普段の生活で転倒しやすい人はバランス練習や筋力トレーニングをおこない、バランス能力や脚の筋力を維持して転倒を防ぎましょう。スポーツで転倒しやすい人も、強い身体の接触に負けない体作りが予防につながります。

転倒したときに骨折しないように骨を強くすることも大切です。骨の強度は骨密度に依存しているため、骨密度を上げるカルシウムやビタミンDをまずはバランスの良い食事で摂取しましょう。加えて、適度な運動も骨密度を高めるために有効です。普段から食事をバランスよく摂取し、適度な運動を習慣化すること、受傷に気をつけることで舟状骨骨折のリスクを減らすことができます。


関連する病気

手関節捻挫

偽関節


参考文献

日本整形外科学会舟状骨骨折

日本骨折治療学会舟状骨骨折

日本手外科学会舟状骨骨折

仲拓磨 et al 舟状骨偽関節に対し近位手根列切除術を施行した1例 東日本整災会誌・31 巻 2019

配信元: Medical DOC

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