「血圧を下げる薬」にはどんな『種類』があるかご存じですか?服用の注意点も医師が解説!

「血圧を下げる薬」にはどんな『種類』があるかご存じですか?服用の注意点も医師が解説!

高血圧の薬を服用するにあたっての注意点

高血圧の薬は、長く飲むケースが一般的です。ここで紹介する注意点を知っておくことで、よりしっかりとした効果を安全に得られるようになります。ぜひ覚えておいてください。

医師の指示を守って薬を服用する

高血圧の薬は、血圧の数値や年齢、持病、体質などに合わせて、種類や量、いつ飲むか等を調整して処方しています。そのため、「最近調子が良いから」と薬の量を減らしたり、服用を中止したりすることは絶対にしないでください。
自己判断で薬を中断すると、それまで抑えられていた血圧が急激に上昇する「リバウンド現象」が起こる危険があります。この急激な血圧上昇が、脳出血や心筋梗塞など、大きな病気の引き金になることもあるのです。血圧が安定しているのは薬が適切に効いているからで、決して「治った」わけではありません。また、急に血圧が上がった場合も、自己判断で手持ちの薬を増やすのは避けましょう。薬は種類ごとに血圧を下げる効果やタイミングが異なるため、自己判断での増量はさらなる体調悪化を引き起こす恐れもあります[陽伊1] 。
薬について気になることがある場合は、必ず主治医へ相談しましょう。

薬を服用して副作用が出た場合

医師の指示通りに服用していても、体質によっては薬の副作用が出ることがあります。 血圧の薬の代表的な副作用を、以下にまとめました。
・めまい・ふらつき
・だるさ
・空咳
・歯茎の腫れ
・息苦しさ
・発疹
・唇やのどの腫れ
とくに意識を失うほどのめまい・ふらつきや、発疹、唇やのどの腫れが出た場合は重い副作用が出ている可能性も考えられます。すぐに受診してください。ただし、感じている体の不調が副作用によるものなのかは診察を受けないと分かりません。気になる症状が出た場合は自己判断で薬を中止するのではなく、まずは主治医へ相談しましょう。

血圧をさげる薬は飲み合わせに注意

血圧を下げる薬は、特定の薬や食品といっしょに飲むと効果が弱まったり強まりすぎたりすることがあります。市販薬(特に風邪薬)などとの併用は気をつけなければならないこともあります。薬剤師や医師に確認をしましょう。
生活のなかで注意が必要なものを、2つ紹介します。

飲み合わせに注意が必要なもの 対象となる血圧の薬 理由

グレープフルーツジュース カルシウム拮抗薬 グレープフルーツジュースがカルシウム拮抗薬が代謝されるのを妨げて、血液中の薬の量が多くなる可能性があるため

非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs) ARB・ACE阻害薬・β遮断薬・利尿薬など 薬の作用を弱めたり、腎臓の機能を下げやすくしたりする可能性があるため

飲み合わせに注意が必要なものを食べたり飲んだりしてから気づいた場合、まずは血圧を測って体調を確認しましょう。量が少なければ、問題ないケースも多いです。ただし、血圧に変化がある、体調不良があるなどの場合はすぐに主治医へ連絡しましょう。
また、一部の抗生物質や糖尿病の薬 、免疫を調整する薬 などにも、飲み合わせに注意が必要なものがあります。血圧の薬を飲んでいる方が医療機関にかかる場合は、お薬手帳を利用して必ず医師・薬剤師へ飲んでいる薬のことを伝えてください。

「高血圧」で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「高血圧」により引き起こす可能性がある病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高血圧

高血圧は、血圧が基準値よりも慢性的に高い状態が続く病気です。家庭での血圧が135/85mmHg以上、医療機関(診察室)での血圧が140/90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。血圧が高いと全身の血管が徐々にダメージを受け、動脈硬化や脳や心臓の病気になるリスクが高まります。ホルモン分泌をはじめとする特定の病気や薬の副作用によって血圧が上がる場合もありますが、日本人の高血圧の多くは以下に挙げる複数の要因が関わって発症します。
・塩分の過剰摂取
・肥満
・飲酒
・運動不足
・遺伝的要因
・ストレス
生活習慣の見直しで血圧が下がらない、脳や心臓の病気になるリスクが高いなどの場合は血圧を下げる薬(降圧薬)による治療をおこないます。家庭での血圧が高い、健康診断で異常を指摘されたなどの場合はかかりつけの内科や循環器内科を受診しましょう。

動脈硬化

動脈硬化とは、血管が硬く・もろくなり、弾力性を失った状態です。慢性的な高血圧によって血管の壁が傷つくと、そこにコレステロールなどが沈着して「プラーク」と呼ばれる塊ができます。これが進行することで、血管が硬く、狭くなるのです。また、高血圧以外に加齢や喫煙、脂質異常症、糖尿病なども動脈硬化のリスク因子です。
動脈硬化自身には、自覚症状がほとんどありません。しかし、放置して心臓や脳の血管が詰まると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの脳や心臓の重大な病気、手足の血管が詰まると手足の冷えや痛みにつながります。
硬くなった動脈を元の状態に戻すのは困難です。そのため、動脈硬化の原因となる高血圧や脂質異常症などの治療、生活習慣の改善などをおこないます。改善せずに心臓や脳への悪影響が出る場合は、手術によってプラークを取り除いたり新しい血液の通り道を作ったりするケースもあります。
高血圧や脂質異常症などを指摘されたら必ず内科を受診し、適切なコントロールをおこないましょう。動脈硬化のリスクが高い場合は、循環器内科を紹介されることもあります。

脳梗塞

脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血液が流れなくなり、その先の脳組織が壊死(えし)する病気です。原因ごとに、高血圧による動脈硬化やプラークによって脳の血管が詰まる、脈の乱れや心臓病によって心臓にできた血の塊(血栓)が脳に飛んで詰まるなどのパターンがあります。脳梗塞になると、以下のような症状があらわれます。
・顔の片側がゆがんだりしびれたりする
・片側の手足に力が入らない
・言葉が出なかったり、人の言うことが理解できなかったりする
脳梗塞は、発症から数時間以内なら血栓を溶かしたり取り除いたりする治療が可能です。気になる症状があれば、すぐに救急車を呼び脳神経外科を受診しましょう。

くも膜下出血

くも膜下出血は、脳の表面を走る動脈にできた「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」というこぶが高血圧をはじめとする負荷により破裂し、脳を覆う「くも膜」の下に出血が広がる病気です。
発症すると、今まで感じたことのないような激しい頭痛を突然感じ、意識を失うこともあります。
くも膜下出血と分かったら、まずは脳動脈瘤がまた破裂するのを防ぐために、動脈瘤にクリップをかける、プラチナ製のコイルで充填するなどの手術を行います。手術後も脳梗塞や脳血管の縮みが起こる可能性があるため、集中治療室での厳密な管理が必要です。
突然の激しい頭痛があらわれた場合は救急車を呼び、すぐに専門の治療ができる脳神経外科を受診しましょう。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る「冠動脈」が詰まって血流が止まり、酸素や栄養が不足した結果心臓の筋肉が壊死する病気です。心筋梗塞の代表的な症状は、以下のとおりです。
・突然の締め付けられるような胸の痛み
・激しい脈の乱れ
・息苦しさ
・吐き気・冷や汗

似たような胸の痛みが出る病気「狭心症(安定狭心症)」との違いは、安静にしていても痛みが続き、症状が30分以上持続する点です。医療機関では、カテーテルという細い管を使って詰まった部分を風船で膨らませる、別の部分の血管を使って詰まった血管の代わりを作る[陽伊3] などの手術をおこないます。
どちらの治療も、できるだけ早く始める必要があります。気になる症状があらわれたらすぐに救急車を呼び、専門的な治療ができる医療機関を受診しましょう。

腎不全

腎不全は、血液をろ過する腎臓の機能が低下し、体内の老廃物を尿として排泄できなくなる状態です。腎不全はさまざまな病気が原因となる事がありますが、近年多いものは高血圧を含めた生活習慣病に伴う慢性腎不全です。
高血圧が長期間続くと、血液をろ過する腎臓の細い血管にも動脈硬化が起こります。その結果徐々に腎臓の血流が悪くなって機能が低下するのが高血圧による慢性腎不全です。
慢性的に低下した腎機能を回復させることは難しいため、血圧をコントロールして進行を予防することが非常に大切です。腎臓の機能が失われた場合は、血液中の老廃物を取り除く「透析」が必要になります。
腎不全は症状が出ないケースが多く、尿が出ない、むくんでいるなどの症状が出たときにはかなり進んでいるケースも少なくありません。健康診断で腎臓の検査値の異常を指摘された場合は早めに内科を受診し、尿に関する異常が出ている場合はすぐに内科や専門の腎臓内科を受診しましょう。

配信元: Medical DOC

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