早朝5時。バイトに向かっていた桜木きぬ(@kinumanga)さんは、T字路でバイクと衝突。その際にハンドルに腹部を強打し、内臓破裂してしまう。20年経過した今でもトラウマとなっている自転車事故について注意喚起を含めて描く実録漫画「内臓破裂メモリー」を紹介するとともに、当時の事故について話を聞いた。
■「あと数センチずれていたら即死だったよ！」と担当医から告げられ、命が繋がったと実感。
今作「内臓破壊メモリー」は、作者である桜木きぬさんが19歳のころに体験した自転車事故を描いた作品。制作のきっかけは「自分の子供がひとりで自転車に乗って出かけるようになったので、子供に自転車の事故の怖さを伝えるために描きました」という、親心からだった。
早朝、自転車に乗っていたところ、新聞配達のバイクと接触したという桜木さん。腹部を強打し、激しい痛みで身動きも取れず緊急搬送となった。しかし、事故直後は目立った外傷もなかったため、周囲も深刻さに気づいていなかったそう。搬送先でも、最初は「打撲」と診断され、危機的な状況を見過ごされてしまう。
駆けつけた大家さんが病院と掛け合ってくれて、外来の時間までそのまま院内で待つことに。待機中に黄疸が出たことで肝臓の損傷がわかり、集中治療室での治療につながった。「医師の診断を疑うのは難しいことだったので、自分でなんとかするのは難しかったと思います。もし言えることがあったとすれば、『あとから自分で外来に来ることが難しいので、院内で待たせてほしい！』くらいでしょうか。あのとき、大家さんが来てくれて、本当に素晴らしい判断をしてくれました」と、桜木さんは当時を振り返る。
担当医からは「あと数センチずれてたら即死だったよ！」と告げられたという。桜木さんは入院生活、実家での療養生活を経て無事回復。しかし、強打した腹部には10年ほどアザが残り、また、20年経っても自転車でスピードを出すことに恐怖を感じるという。今作はリアルな交通事故の体験をコミカルに描き、多くの人に交通安全の大切さを伝えている。
取材協力：桜木きぬ(@kinumanga)
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