静寂だけが残った教室と保護者たち
扉が閉まった瞬間、教室には静寂だけが残った。坂上先生は小さく「……申し訳ございません。では、続きを」と言ったが、さっきまでの柔らかい声の力はほとんど失われ、少し震えているようにも聞こえた。保護者たちは最後までほとんど言葉を発せず、懇談会は淡々と、そして重く進み、静かなまま終わった。
懇談会終了後、離席から校門までの道のり、うちのクラスの保護者は誰も話そうとしなかった。同じ方向へ歩く保護者が二、三人いたのに、歩幅が自然とずれていく。まるで「触れないでおこう」という暗黙の了解が、その日の校門のあたりに漂っていた。
胸の奥に残ったのは、言いようのない疲れと、居心地の悪い沈黙だった――――。
あとがき:誰も声を上げられない現実
学年末の懇談会は、本来なら1年の成長を振り返る温かな時間のはずでした。しかし、誰か一人の強い声が場を支配してしまうと、周囲は萎縮し、何も言えなくなってしまう。今回描かれた沈黙は、その象徴のように感じられます。
保護者、先生、そして子どもたち──誰もが疲弊しながらも、事態を変えられないまま日常が続いていく。その重さが静かに胸に残る回となりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

