2.誰にも奪われたくないという心理
これは保護猫や、多頭飼育の猫に多い理由です。過酷を極める外の環境では、いつ食べられるかわからないという状況が日常茶飯事です。
よって"食べられるうちに食べなければ"という発想がたえず続きます。加えて横取りのリスクを伴うため、"誰にも奪われたくない"という心理も同時に働きます。この心理は多頭飼育でも見られる現象です。
まず早食いする猫が保護猫である場合は、少量のフードを小分けにして頻繁に提供し、いつでも食べられる安心感を体感してもらいましょう。それでも続く場合は、突起がついた"早食いを阻止する食器"を活用してみてください。
多頭飼育が背景にある場合は、食べる速度がゆっくりな猫をケージに入れて保護する・速度が同じ猫同士でチーム分けをして食べる時間帯をずらす・衝立を使用するなどの対策をしてあげてください。
時間帯で調整する場合は、まずはゆっくり食べる派の猫からスタートし、食べ終わる頃合いを見て早食いチームの食事を開始するようにしてみてください。
3.食事に対するこだわりが強い
最後は独特なこだわりによる早食いです。これはどんな猫にでも起こり得るものなので、愛猫にも当てはまるものがないかチェックしてみてください。
空腹時間が長いことに耐えられない 美味しくて夢中になってしまう とにかくたくさん食べたい大食い気質猫は本来毒のある小動物を食べるため、消化や解毒に多くの時間を費やします。そのため、本来は空腹でいる時間が短く済みます。
一方のキャットフードは消化に良いものも多く、安全であるがゆえに空腹時間が長くなってしまいます。そこに耐えられない猫は、ガツガツ食べてしまうことがあるというわけです。
また、単に食べることに夢中になる猫や大食い気質な猫もいます。実は、猫の場合は食事の回数が重要ではありません。
1日あたりの摂取量をオーバーしない範囲であれば、好きなだけ小分けにして大丈夫なのです。食べ応えのあるフードを"ちょこちょこ食べる"ことで満足感が得られるので、在宅時間が長い飼い主さんは参考にしてみてください。自動給餌器による細分化でもOKです。
また、より自然界の食事に近づけることも大切です。ウエットフードを取り入れたり、ドライフードをふやかすこともおすすめです。
カリカリした食感が好みの猫には、単に温めただけのドライフードが喜ばれるでしょう。獲物の体温に近い38℃程度に温めてみてください。
食に対する満足感が心を満たし、自ずと穏やかに食べられるようになれば早食いが落ち着くケースもあるのです。

