微小血管狭心症の前兆や初期症状について
微小管狭心症では、胸の痛み、息苦しさ、吐き気、胃痛などの消化器症状、背中の痛み、首・のど・耳の後ろの痛み、動悸などさまざまな症状がみられます。
胸痛は夜間や早朝の安静時のみに出現することもあれば、運動など身体を動かしているとき(労作時)に出現することもあり、持続時間は10分以上になることもあります。
微小血管狭心症の検査・診断
微小管狭心症は比較的新しい疾患概念で、2018年に国際的に統一された診断基準が提唱されました。この診断基準によると、心筋虚血による胸の痛みなどの症状があり、それが心電図などの検査で証明できること、心臓周囲の太い冠動脈には狭窄や収縮がみられず、弁膜症や心筋症などの心臓病がないことなどが診断要件となっています。
微小管狭心症は通常の狭心症とは異なり、冠動脈造影検査では明らかな異常が認められず、発作時の心電図の変化もあまりみられないため、診断が難しくなっています。
微小管狭心症を診断するための検査には、以下のような検査があります。しかし、診断のための検査が複雑かつ煩雑であることから、微小管狭心症を確定診断することなく治療を行うこともしばしばあります。
冠動脈造影検査
造影剤を用いて冠動脈に異常(狭窄、閉鎖)がないか確認する検査で、狭心症の診断に用いられます。微小管狭心症では、心臓周囲の太い冠動脈に異常はみられないことを確認するために行います。
冠攣縮誘発試験
薬物(アセチルコリン、エルゴノビン)を冠動脈内に注入し、冠動脈の攣縮(痙攣)を確認する検査です。冠動脈に明らかな異常がない場合に、冠動脈の攣縮による狭心症(冠攣縮性狭心症)を除外することを目的として行います。
冠血流予備能(CFR)の測定
安静時の血流に対し、最大でどの程度血流が増えるか冠血流が増加する能力を測定する検査です。微小血管狭心症では冠血流予備能(CFR)が低下しており、CFR<2であることが診断基準のひとつとなっています。
微小血管抵抗指数(IMR)の測定
微小血管の血流の抵抗を測定する検査です。冠血流予備能(CFR)が太い冠動脈も含めた全体の冠循環を反映するのに対し、微小血管抵抗指数(IMR)は冠微小血管の循環を反映するとされています。微小血管狭心症では、IMR>25であることが診断基準のひとつとなっています。

