女性に多い「微小血管狭心症」の症状を医師が解説 閉経前後に注意すべき胸痛の特徴とは

女性に多い「微小血管狭心症」の症状を医師が解説 閉経前後に注意すべき胸痛の特徴とは

微小血管狭心症の治療

微小血管狭心症では、狭心症の治療に使用されるニトログリセリンは、半数の症例で効果が乏しいことが明らかになっています。国内において確立された微小血管狭心症の治療方法はありませんが、欧州心臓病学会のガイドラインに基づき、カルシウム拮抗薬やβ遮断薬を第一選択薬として使用することが推奨されています。

カルシウム拮抗薬には微小血管の過度な収縮(攣縮)を抑制する効果、β遮断薬には心拍数や心筋の収縮を抑制させる効果があります。
カルシウム拮抗薬やβ遮断薬を使用しても症状が抑えられない場合は、血管拡張作用のあるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などを追加することがあります。

また、生活習慣の改善が微小血管狭心症の治療における前提となります。
高血圧症、脂質異常症、糖尿病などは、血管の内腔を覆う細胞群(血管内皮)に障害をきたす要因になるため、適度な運動や適切な食事、禁煙など生活習慣を改善することが重要です。

微小血管狭心症になりやすい人・予防の方法

微小血管狭心症は女性、とくに閉経前後の女性に多いことが報告されています。女性ホルモン(エストロゲン)との直接的な因果関係は明確になっていませんが、エストロゲンには血管弛緩作用など心血管の保護的作用があり、閉経前後のエストロゲンの減少が心疾患の発症に関連する可能性も指摘されています。

また、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満、運動不足や喫煙習慣のある方は、微小血管狭心症の発症リスクが高まる可能性があります。先述の通り、これらは血管内皮に障害をきたす要因となることが知られています。

したがって、微小血管狭心症の予防には、禁煙、適度な運動、体重の管理、飲酒を控えることが推奨されます。定期的な健康診断で血圧や血糖値を管理し、生活習慣病の予防に努めることが重要です。


関連する病気

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参考文献

日本循環器学会 日本心血管インターベンション治療学会 日本心臓病学会合同ガイドライン 冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害の診断と治療

一般社団法人 日本内科学会日本内科学会雑誌第108巻第9号 第2・第3の狭心症:冠攣縮性狭心症と微小血管狭心症

公益社団法人 日本心臓財団 微小血管狭心症をご存じですか。

配信元: Medical DOC

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