健康診断で行われる「便潜血検査」は、大腸がんの早期発見に役立つ大切な検査です。しかし「陽性=大腸がん」というわけではありません。一方、食品を扱う従事者の検便は「腸内細菌検査」と呼ばれるもので、目的や内容も異なります。今回は、便検査の種類と大腸がんと診断される確率について坂口先生に解説していただきました。

監修医師:
坂口 賀基(大塚駅前消化器内視鏡クリニック)
東京大学医学部医学科卒業。その後、東京大学医学部附属病院消化器内科助教などを経て、2024年4月、東京都豊島区に「大塚駅前消化器内視鏡クリニック」を開院。東京大学医学部附属病院開設以来、現在までに実施された早期咽頭・食道・胃・大腸がんに対する内視鏡治療を最も多く実施・指導した実績があり、各種消化器がんに対する内視鏡診療における中心的な役割を担ってきた。医学博士。日本内科学会内科認定医・指導医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医、日本消化器病学会消化器病専門医・指導医、厚生労働省認定難病指定医。
編集部
まず、便の検査について教えてください。
坂口先生
便の検査にはいくつか種類があります。一般的な健康診断でおこなわれる検便は「便潜血検査」のことを指し、病気の可能性がある場合に「陽性」や「要精密検査」という結果が出ます。一方、食品を扱う従事者を対象とした検便は「腸内細菌検査」と呼ばれ、便に特定の細菌やウイルスなどが存在しないかを確認するための検査です。
編集部
どのような場合に便潜血検査で陽性が出るのですか?
坂口先生
便潜血検査は、便の中の目に見えないほどの血が混ざっているかどうかをチェックする検査なので、消化器のどこかで出血が起こっている場合などに陽性が出ます。痔などの場合でも陽性となることがありますが、主に「大腸がん」の早期発見のためにおこなわれます。
編集部
陽性が出ると大腸がんということでしょうか?
坂口先生
「陽性=大腸がん」というわけではありません。便潜血検査は決して100%の正確性があるわけではなく、あくまで簡易的検査なので目安として活用されるものです。検査結果が陽性だった場合でも、大腸がんでないケースや、逆に陰性でも大腸がんが隠れているケースもあります。
編集部
そうなのですね。
坂口先生
便潜血検査で陽性と判定される人は、1000人中およそ50人とされています。その中で大腸がんと診断されるのは、実際のところ1~2人程度です。過度に不安になる必要はありませんが、確率は低いながらも大腸がんの可能性はあるため、早期発見のためにも精密検査をきちんと受けましょう。検査の診断やその後の治療には高い専門性が必要とされるので、検査をする際は多くの経験や知識・スキルのある医師を見つけることをおすすめします。
※この記事はメディカルドックにて【便潜血検査は陰性でも「大腸がん」の可能性が? 早期発見のポイントや陽性が出たときの対処法も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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