コミックエッセイ『しんどい母が、嫌いで好きで。』は、忍者ママさんのお母さんについて描いた作品。「毒親」の一言では語れない関係性を、明るいタッチでお届けする。
今回は、忍者ママさんの母「えっちゃん」の幼少期について。戦争に行った父の訃報が届き、母親がすべてになったえっちゃんさん。「お母さんに嫌われたくない」の一心でお手伝いを頑張るが、ある時から2人だけの家に知らないおじさんが出入りするようになる…。




■原爆が落ちていなかったら、母も違う生き方があったのでは?
えっちゃんさんのお母さんに対する複雑な思いや、夫を喪った女性のリアルが描かれていて、いつもよりシリアスな内容となっている今作。これを描こうと思ったきっかけや、漫画に込めた思いを忍者ママさんに聞いてみた。
「『しんどい母が、嫌いで好きで。』という漫画のタイトル通り、私自身も母に対する思いが行ったり来たりする感覚があります。好きであり、嫌いでもある…と言ったところでしょうか。母も幼少期は、同じ感覚を抱いていたように感じました。また、長崎に住んでいると、原爆が落ちて世の中が大きく変わったという感覚を、今でも大なり小なり感じることがあります。原爆が落ちていなかったら、母も違う生き方があったかもしれないということに少し触れておきたかったんです」
家に出入りするおじさんが好きになれず、優しかったお父さんが忘れられないえっちゃんさん。こっそり写真を見ている彼女にお母さんが言い放つ「女は一人では生きていけないのよ」というセリフが、とても印象深い。忍者ママさんから見てこの言葉は、えっちゃんさんの生き方に何かしら影響を及ぼしているのだろうか?
「実際、祖母は男に守られる人生だったと思います。それはそれでこの時代的に正解だったかもしれませんが、母の人生は真逆だと思います。このセリフは母と祖母の生き方を分ける、大きな分岐点だと思います」






「全体的に重いテーマを扱っていますが、かるーく、そして、笑って読んでいただければうれしいです」と笑う忍者ママさん。複雑な思いを抱きつつも嫌いになれないお母さんとの関係や、そんなお母さんの幼少期を赤裸々に描いた漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
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