「虚弱体質」ほどではないけど「疲れやすい」ことに悩む大人たち
健康診断の結果は悪くない、病気も抱えていない。けれど、疲れやすくて仕事やプライベートに影響がでているーーそんな疲れやすさへの悩みは、季節の変わり目に感じやすく、働き盛りのミドル世代にとって顕著な悩みの一つに挙がるのではないでしょうか。「疲れやすさ」の原因とは、一体何なのでしょうか。
「虚弱体質」とは、基礎疾患がないにもかかわらず、体になんらかの不調が常に表れている状態です。医学的な定義はなく疾患にあたらないことから、“生まれ持った体質”と認識されています。
1人前の食事を食べきれない、疲れやすい、体力がない、風邪をひきやすいなどの特徴があり、幼少期から虚弱体質に悩まされることで、通学が困難なケースも。気持ちの持ちようではなく体の不調として表れるものの、検査で異常がみられないことから、医学的な治療へのハードルが高くなってしまうのです。
そして、虚弱体質とまではいかなくても、体力のなさ・疲れやすさを大人になってから自覚する場合もあります。同世代の同性と比べて疲れによる負荷が大きいという自覚があり、人付き合いや仕事、遊びへの妨げになっているケースです。
この場合、10代・20代の身体的負荷、心労のリカバリーが追いつかなくなっている、ライフステージや環境の変化によるストレス、運動不足、不摂生など、さまざまな原因が複雑に影響しています。
「疲れやすい…」「体力ない」って人も改善策はあるのか…
(1)自分が苦手な感覚を把握する
あなたは五感のなかでどの感覚に過敏なのか、自覚していますか? 人によって優位な感覚は異なり、過敏な感覚が疲れやすさに結びついていることもあります。嗅覚が過敏な人は、香りそのものがストレスとなり、心身の疲労を招きます。人工香料を避けたり換気をこまめにしたり、有意感覚を落ち着かせる過ごし方を意識してみましょう。
(2)今の体の状態を自覚する
疲れやすさは心因的な問題のように思えますが、体の不調によって疲れやすい状態が長引いることも考えられます。消化器官が弱いことからエネルギー不足に陥る、肺活量の低下によって疲労回復が追いついていない、栄養が足りていない、日光耐性が低いなど、いまの体の状態を知ることで、疲れやすさの原因に気づきやすくなるはずです。
(3)レジスタンス運動に挑戦
レジスタント運動とは、スクワットや腕立て伏せなど筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行い、筋肉量増加・筋力向上・持久力向上を促す筋力トレーニングです。アスリートが取り組んでいるイメージがありますが、実は身体機能が低下しやすい高齢者にも勧められています。研究報告によると、平均年齢90歳の高齢者であってもレジスタンス運動で筋肉量増加・筋力アップを認められました。もも上げ、かかと上げ、ヒップリフトなど、“ながら運動”できるメニューも多いので、体力に自信がない人でも取り組めます。
【まとめ】
疲れやすさの改善策は、リラックスすることだけではありません。日常のスキマ時間やいつものルーティンに数分でも体を動かすことを心がけるだけで、少しずつ健康状態に導けるようになります。疲れの原因に気づくきっかけとして、体の状態に目を向けることも意識してみては?
(夏木紬衣)

