「本当にインフル?」拭えない“名簿”への疑念
知人女性自身は、仕事のため最初から欠席で出していたそうですが、LINEの通知を見ながら寒気がしたといいます。
「確かにインフルエンザは流行っています。でも、メンバー表が出た直後のタイミングで、たった3日間のうちに7人も次々と感染するものでしょうか…?」
彼女の脳裏には、ある“最悪な想像”がよぎりました。
――もしかして、『あ、〇〇さんが来るなら行くのやめようかな』『仲良しがいないし面倒になったな』と思って、体調不良を言い訳にしただけではないのか?
「幹事さんは当日、店への謝罪やコース料理のキャンセル交渉に追われていたはずです。3カ月も前から準備して、みんなのために動いてくれていたのに、あんまりじゃないかと……。私は最初から欠席でしたが、こんなことになるなら予定を変更してでも行ってあげればよかった、と胸が痛みました」
幹事は「スキル」じゃなく「感謝」で回る
店選び、アレルギー対応、そして直前のキャンセル処理。幹事の仕事は見えない精神的負担の塊です。
それなのに、参加者側が「客気分」で簡単にドタキャンしたり、文句を言ったりすれば、引き受けてくれる人は誰もいなくなってしまいます。
もしあなたの周りで、面倒な幹事を引き受けてくれている人がいたら。 たとえ行けなくても、たとえ店が少し期待外れでも、まずは「調整してくれてありがとう」と伝えてみてください。
そして、もし参加すると決めたなら、よほどの事情がない限り約束を守る。そんな当たり前の誠意が、幹事の孤独を救う唯一の手立てなのかもしれません。
(足立むさし)

