取り戻した日常と誇り
翌日、近所中が「東城さんが警察に連れて行かれたらしい」とざわついていた。
「ちょっと、佐藤さんに相談があっただけなの」
警察署から戻った本人はそう言いながら帰ってきたが、目は泳ぎ、声は上ずっている。あの強気な姿は、跡形もなかった。それからというもの、誰も東城さんに近づかなくなった。あれだけ牛耳っていた主婦の輪からも、すっかり距離を置かれるようになった。そして次第に、東城さんは、家に引きこもるようになったという。
周囲には穏やかな空気が戻り、子どもたちの笑い声が、夕暮れの街に優しく響き渡る。
「もう、安心していいよ」
私は子どもたちの頭を撫でながら、そっと微笑む。パトカーのライトが静寂を破ったあの日を、私は忘れない。
私は、夫とともに大切な家族を守れた。そう胸を張って言えるようになったのだ。
あとがき:守る勇気が世界を変える
どれだけ怖くても、守りたい存在があるとき、人は強くなれる。この物語は、特別な力を持たない一家庭が、正しい手段と小さな勇気で日常を取り戻すまでの記録です。恐怖の中で震えることは、弱さではありません。踏み出したその一歩こそが、確かな強さです。
あの日の怖さも、涙も、そのすべてが家族を守った誇りに変わりました。どうか、同じように悩む誰かの力になりますように。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

