「航空性中耳炎」の初期症状と気圧変化で起きるサインをご存じですか?【医師監修】

「航空性中耳炎」の初期症状と気圧変化で起きるサインをご存じですか?【医師監修】

航空性中耳炎の治療

航空性中耳炎の治療は、状態に応じて異なります。軽度の場合は自然に治ることが多く、特に治療を必要としないこともあります。しかし、痛みや聴力の低下が続く場合、症状が悪化している場合は、以下のような治療が行われます。

その場でできる治療方法

軽症の場合は、ガムを噛む、あくびをする、つばを飲み込むといったことで、鼓膜内の圧力を改善できる場合があります。また、「耳抜き」も有効です。ただし、耳に負担をかける可能性があるため、注意して行いましょう。

薬物療法

症状が軽い場合でも、耳の痛みや違和感がある場合には、鎮痛薬が処方されることが一般的です。市販の鎮痛薬でも効果が期待でき、痛みを和らげるのに役立ちます。また、炎症がひどい場合や耳管の閉塞が疑われる場合は、抗菌薬が処方される場合もあります。

鼻炎や風邪の治療

航空性中耳炎は、風邪や鼻炎による鼻詰まりがある場合に多く起こります。そのため、根本的な原因である鼻詰まりや風邪の治療が重要になりますう。アレルギー性鼻炎や風邪の症状がある場合は、薬物療法などで耳管の機能を取り戻し、航空性中耳炎の改善が期待できます。

鼓膜形成術

航空性中耳炎が悪化し、鼓膜に損傷が生じた場合には、穴を塞いで鼓膜を回復させる鼓膜形成術を行う場合があります。軽い損傷であれば自然に治る場合が多く、損傷がひどい場合や治癒が遅れている場合には外科的な処置が必要です。

鼓膜チューブ挿入術や鼓膜切開術

中耳で炎症が続き、液体がたまっている場合、鼓膜チューブの挿入や鼓膜の切開を行う場合があります。中耳内の液体を排出して圧力を調整するために行われます。いずれも局所麻酔下で行われ、比較的安全かつ短時間で済むうえ、重症例でも早い回復が期待できます。

航空性中耳炎になりやすい人・予防の方法

風邪やアレルギーによる鼻づまりがある人は、耳管が詰まり、内耳の気圧調整が難しくなるため、航空性中耳炎のリスクが高いと言えます。

また、同様の理由から副鼻腔炎や耳管機能不全を抱えている人もリスクが高くなります。特に小さな子どもは、耳管が大人に比べて短く未発達なため、気圧の変化に対する調整が難しく、航空性中耳炎になりやすい傾向があります。さらに、高齢者も耳管の機能が弱まっているため、同じように発症リスクが高まります。

航空性中耳炎の予防として、飛行機の離着陸時にガムを噛む、あくびをする、飲み物を飲む、「耳抜き」といった耳管を開く動作を行うことで、内耳の圧力を調整しやすくなり、航空性中耳炎の発症を防ぐことができます。耳抜きをする場合は、改善されないにもかかわらず無理に実施すると、鼓膜を傷つけるため注意しましょう。

また、鼻づまりがある場合は、事前に鼻スプレーを使用して鼻の通りを良くしておくのも有効です。鼻づまりがあると耳管が詰まりやすくなるため、風邪やアレルギーの症状があるときは、飛行機に乗る前に鼻をすっきりさせておくとよいです。さらに、飛行機専用の耳栓を使用することで、気圧の変化を緩やかにして、鼓膜への圧力を軽減することができます。

もし過去に航空性中耳炎を経験したことがある場合や、頻繁に耳のトラブルがある場合は、飛行機に乗る前に耳鼻咽喉科の医師に相談するのも一つの手です。必要に応じて予防的な薬を処方してもらったり、適切なアドバイスを受け、航空性中耳炎の発症を予防しましょう。


関連する病気

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参考文献

厚生労働省検疫所 FORTH「航空性中耳炎」

ヨミドクター「航空性中耳炎」

JAL CARD「飛行機で耳が痛いと感じたときの対策」

日本耳科学会「小児急性中耳炎」

配信元: Medical DOC

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