好酸球性肺炎の治療
好酸球性肺炎の治療は、病状の進行や原因に応じて適切な治療法が選択されます。治療後も再発のリスクがあるため、継続的な観察と管理が求められます。好酸球性肺炎の治療には主にステロイド剤が使用され、急性型と慢性型で治療方針が異なります。
急性型の場合、症状が急速に進行するため、初期にステロイド剤の投与が必要です。
重症で呼吸不全が見られる場合には、パルス療法(ステロイド剤を短期間大量投与し、炎症を迅速に抑える治療法)が行われます。
治療が遅れると重篤な呼吸不全におちいる可能性があるため、迅速な対応が必要です。
一方、慢性型では、6か月から1年かけてステロイドの使用量を少しずつ減らしていきます。
再発しやすいため、治療後も定期的な経過観察が必要です。(参考:好酸球性肺炎/アレルギー/69巻(2020)3号/p.155-162)
好酸球性肺炎になりやすい人、予防の方法
好酸球性肺炎は、喫煙者、アレルギー体質の人、特定の薬剤を使用している人、寄生虫感染のリスクがある地域に住む人でリスクが高いことが知られています。
急性型では喫煙が主なリスクで、受動喫煙も含めて避けることが予防になります。
慢性型はアレルギーや喘息のある人に多く、アレルゲンの管理や適切な治療が必要です。
薬剤が原因で発症する場合は、医師と相談のうえで服薬する薬を決定していく必要があります。
関連する病気
喘息アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
寄生虫感染
薬剤性肺炎
アレルギー性肺疾患
参考文献
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル 急性好酸球性肺炎
一般社団法人日本呼吸器学会好酸球性肺炎
難病情報センター難治性(特発性)慢性好酸球性肺炎(平成22年度)
難病情報センター好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)
厚生労働省好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
厚生労働科学研究成果データベース原因不明の慢性好酸球性肺炎の病態解明、新規治療法、およびガイドライン作成に関する研究
厚生労働省薬剤性好酸球性肺炎とは
好酸球性肺炎/アレルギー/69巻(2020)3号/p.155-162
急性好酸球性肺炎/昭和学士会雑誌/75巻(2015)4号/p.414-420
Mesalazineにより薬剤性好酸球性肺炎を来たしたと考えられる1例/日本内科学会雑誌/107 巻(2018)1号/p.81-87
好酸球性肺炎(急性好酸球性肺炎・慢性好酸球性肺炎)と気管支鏡/気管支学/27巻(2005)1号/p32-36
高齢者の急性好酸球性肺炎 : SARS-CoV-2 との鑑別/日本病院総合診療医学会雑誌/17巻 (2021)1号/p.49-55
比較的短期間で発症した慢性好酸球性肺炎の1例 : 本邦報告例の臨床的検討//気管支学/27巻 (2005)7号/p.542-546
慢性好酸球性肺炎を呈した糞線虫感染の1例/日本内科学会雑誌/95巻(2006)12号/p. 2542-2543

