この度、滋賀県JA東びわこのWEBマガジン「Umel(ウメル)」の出張連載がスタート!普段は見えにくい農家さんの想いやこだわりにスポットを当て、「食」と「農」の隙間に秘められた情報をお届けしていきます。記念すべき第1回は、JA東びわこの直売所で絶大な人気を誇るトマト農家さんに注目!トマトの旨味を最大限に引き出す簡単&絶品レシピと、農家さんの熱い想いをたっぷりお届けしますよ♪
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「ハズレがない」と大人気!ファンが絶えないトマト農家
1年を通して食卓に欠かせない野菜のひとつである「トマト」。
トマトを栽培する農家さんは、ご自宅でどのようにして食べているのか気になりますよね。
今回、お話を伺ったのは、滋賀県彦根市でトマトを栽培する辻岡逸人(つじおかはやと)さん。
「辻岡さんのトマトはハズレがない!」と直売所で口コミが広まり、最もファンが多い農家のお一人です。
「トマトの出来栄え」を判断する食べ方はこれ!
辻岡さんにおすすめのトマトレシピをたずねると、レシピと一緒にこんなお言葉が返ってきました。
「トマトの旨さがダイレクトに伝わってくる一皿」
「この料理がおいしければ、今年のトマトは旨くできたと判断している」
「生で食べるより、素材の価値が分かるから不思議なんだよね」
「トマトを切ってそのまま食べていては損している!」と言っても過言ではないほど、素材の良さが際立つという農家イチ押しレシピ!
これは期待が高まります♪
悪魔的なおいしさ!「トマトのブルスケッタ」
ブルスケッタとは、焼いたパンに具材をのせるイタリアの伝統料理。
おしゃれなイタリアンのイメージがありますが、実は作り方はとっても簡単なんです!
材料(2人分)
フランスパン(バゲットがおすすめ)…6枚
トマト(中サイズ)… 1個
にんにく… 1/2かけ
バジルの葉 … 適量
オリーブオイル…大さじ2
塩…小さじ1/4~1/3
粗びき黒こしょう…適量
作り方
1. バゲットにオリーブオイルを薄く塗り、トースターでこんがりと焼く。焼き上がったらにんにくをこすりつける。
2. トマトはヘタをとって、5mm~1cm角に切る。
3. 2とオリーブオイル、塩、手でちぎったバジルの葉、粗びき黒コショウを混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やす。食べる直前に、1のバゲットにのせる。
気になるお味は?
辻岡さんがおっしゃる通り、トマトを切ってそのまま食べるのももちろんおいしいのですが、この方法で食べると、トマトの素材の良さが本当に際立ちます。
また、おいしく食べるなら出来立てが断然おすすめ!カリカリ熱々のバゲットと、キンキンに冷えたトマトの組み合わせは、一度食べたら忘れられない「悪魔的なおいしさ」ですよ…!
ちなみに、イタリアやフランスでは、夕食が21時頃からと遅めのため、仕事終わりにワインで軽食をとる習慣(アペリティーヴォ)があるそう。
立ち飲みのようなおしゃれなバーで18時頃にワインを飲むときに、このブルスケッタがよく出てくるイメージですね!
このトマトのブルスケッタも、ワインとよく合います♡
おいしさへのこだわり!辻岡さんの農業と次世代への想い
辻岡さんに、おいしいトマト作りへのこだわりや、農業への想いについて、さらに詳しくお話を伺いました。
Q. 辻岡さんが栽培するトマトと、そのこだわりについて教えてください。
A. わたしにとって、おいしいトマトを作ることは当たり前で、義務に近い感覚です。
大玉と中玉のトマトを地域のJA直売所やスーパーへ出荷していますが、他の生産者が一般的にトマトを収穫しない時期に、わたしが収穫して出荷できるよう意識しています。
地域の売り場に年間を通じてトマトがある状態を維持し、他の方の作ったトマトも含めて、食卓に「地元のトマトはおいしいね」という笑顔を届けることが、わたしの農家としての喜びなんです。
また、年に約2%ずつ価格を上げています。
JA直売所は委託販売方式により農家自身が値付けする仕組みですが、一般に市場を通じた出荷経路は農家自身が値付けをできず、相場に左右される仕組みが主流です。
農産物を生産するのに必要な資材価格の上昇が適切に反映されないと、農家にとっては非常に苦しい仕組みと言えます。
物価の上昇に伴って、自身で値付けできる分だけでもコンスタントに適正価格に近付け、地域の農家が持続可能な経営を行えるようにする必要があると考えています。
そして、最もこだわっているのは「自分の名前を明らかにして販売する」ことです。お客様のリピート買いを促し、農家のやる気を生み出す良い循環をもっと盛り上げていきたいと思っています。
そのため、JA直売所以外の出荷先でも、わたしの名前を明らかにする形で販売してもらえるよう取り組んでいます。
Q. 農業だけでなく塾も経営されているそうですね。
A. はい。「教育」に携わるのが、かねてからの想いでした。
「二宮尊徳」然り、「吉田松陰」然り、偉大な教育者は共通して農家だったり、または農業を非常に重んじてきました。
しかし教育をビジネスにすると、どうしても利益を求めなければならなくなってしまうんですよね。だから農業をわたしのビジネスにして、維持費程度のお金だけもらって寺子屋を経営しています。
寺子屋では、新聞の読み込みと意見発表を通じて、子どもたちにコミュニケーションの本質を教えています。
相手が伝えたいことを理解し、自分の意見を適切な形で伝えること。受験や就活をはじめ、将来のキャリア形成には欠かせない要素となってきますからね。

教育とは、知識を教えているのではなく、心を育んでいると思ってます。学ぶって楽しいなと思えるようになるまでが大切です。
同じく農業とは、農産物を作っているのではなく、植物の心を育んでいると思ってます。
植物にも心がある。いつか証明されると思いますが、一生懸命育てていると、心があることに気が付きますよ。植物がおいしくなりたいなと思えるようになるのが大切です。
結局、教育も農業もとてもよく似ているんですよね。
Q. 世間で認識されている「農業」のギャップについて教えてください。
A. 農業は「食べ物を作る営み」と捉えられがちですが、古来より「衣」「食」「住」のすべてを支えてきました。
例えば衣類の原料となる綿や麻は、紛れもなく農業によって生産されてきたものです。
住まいに関わる建材やエネルギーを生み出す薪も、今でこそ「林業」と区別されがちですが、かつて「農業」と「林業」は今より密接に関わり合ってきました。
それこそBBQでよく使う段ボール入りの炭なんて、結構手軽な価格で買えてしまいますが、あれを自分で作ると考えるとかなり難しいと思いませんか?
結局のところ、わたしたちが快適に生活をしていくために、誰かに「無理強い」をしてきたわけです。
これから全人類が持続可能な社会を目指していく中で、本当に見直していくべき産業や取り組みを、そろそろ個人レベルでも考えていく局面まで来ていると思いますね。
おわりに
辻岡さんが「おいしさの証明」にするほどおいしい「トマトのブルスケッタ」。
ぜひ今晩の食卓で試して、トマトの素材本来の味を堪能してみてくださいね!
「Umelスナップ」では、インタビュー風景のショート動画を公開中です。こちらもぜひご覧ください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「食」と「農」の隙間を埋めるWEBマガジン「Umel(ウメル)」では、これからも農家さんの知恵と熱い想いが詰まった情報をお届けしていきます。
次回もどうぞお楽しみに!
食と農の隙間に届けるWEBマガジン「Umel(ウメル)」
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