生理の前になると頭痛やイライラするなど、身体や心にさまざまな症状があらわれることがあります。
通常は軽い場合が多いという人でも、自律神経の乱れなどで症状が強く出ることがあります。
そして毎月強く辛い症状が続くことで、精神的にも肉体的にも苦しむ人がいるのです。この症状を月経前症候群(PMS)と呼びます。
今回はこの月経前症候群(PMS)についての悩みにお答えしましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「月経前症候群(PMS)」とは?症状・原因・治療法についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 裕斗(医師)
東京大学医学部医学科卒業。その後、川崎市立川崎病院臨床研修医、神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科、国立成育医療研究センター産科フェローを経て、2021年より東京医科歯科大学医学部国際健康推進医学分野進学。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
月経前症候群(PMS)の原因と症状

月経前症候群はどのような病気ですか?
生理の数日前になると気分が落ち込む・イライラする・酷い頭痛など身体と心にさまざまな症状が出ることがあります。
これらの症状が精神に影響を与えるほど強くあらわれる症状を月経前症候群(PMS)と呼びます。
症状は比較的軽いものから日常生活にも支障をきたしてしまう月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれる深刻な精神疾患までさまざまです。
何が原因で月経前症候群になるのでしょうか?
月経前症候群の原因として、女性ホルモンの1つ黄体ホルモンのプロゲステロンが心身にさまざまな影響を与えるのではと考えられていました。
プロゲステロンは排卵後から月経前まで分泌が高まり、月経がはじまると急激に下がるために月経前の女性の身体に大きな影響をあたえるものと考えられていたのです。
しかし最近ではそれだけでなく脳と女性ホルモンの相互関係や自律神経との関連が重視されるようになっています。脳内神経伝達物質のセロトニン・GABAと女性ホルモンの関係性が月経前症候群の心の症状に関わっていると考えられているのです。
女性ホルモンや自律神経が関係すると思われる月経前症候群の主な原因を挙げてみましょう。
過度なストレス
睡眠の乱れ
カフェイン・塩分・糖分
食事バランスの乱れ
ストレスはホルモン・自律神経両方のバランスを乱すため、心身に不調をきたします。同様に睡眠もバランスを保つためには大切なのです。
カフェインの摂取量が多いと月経前症候群になりやすく、塩分・糖分の摂り過ぎも原因になりやすいといわれています。食事バランスの乱れから月経前症候群の症状が強くなる場合もあるのです。
主な症状を教えてください。
月経前症候群の症状は「身体」と「心」にさまざまな状態となりあらわれます。どのようなものがあるか挙げてみます。まずは身体に起こる症状です。頭痛
手足のむくみ
腰痛
腹痛・便秘・下痢
下腹部の痛み
甘いものが欲しくなる
頭痛は多くの女性が経験しますが、片頭痛を含め薬を服用しなければいけないほどのひどい頭痛が続きます。手足のむくみ・腰痛・腹痛の他、無性に甘いものが欲しくなる・食欲が異常に増すなどの症状があらわれ、さらに心にも次のような症状があらわれます。
気持ちが落ち込む
イライラする
不安・緊張
集中力低下
睡眠バランス低下
人に関わりたくなくなる
気持ちが落ち込むことが多くなり、常にイライラしてしまう・人に会いたくない・集中力がなくなるなどの症状で、気分が晴れず塞ぎこむことが多くなります。
心の症状がより深刻になると日常生活に支障をきたすようになり、月経前不快気分障害(PMDD)と診断されることもあるのです。
身体だけでなく精神的にも辛い病気なのですね。
検査によって明確な診断がつきにくい月経前症候群ですから、自分の身体や心の異常を訴えても理解してもらえない辛さもあるでしょう。
実際に人にわかってもらえない辛さから、ひきこもり状態になってしまう人もいるほどです。身体と心両面から治療が必要な病気といえるのです。
編集部まとめ

月経のある女性の約7割から8割が、月経の前に何らかの不快な症状を感じるといわれています。
月経前症候群と診断される人はその症状が強い人なのです。1人で辛さを抱え込まずに辛いと感じたら医師に相談してみましょう。
婦人科や心療内科では、低用量ピルをはじめ効果的な薬を併用しながら症状の軽減を目指せます。
女性にとっては毎月のことです。少しでも早く症状が改善される治療を行い、病気と上手に向き合う方法を試しながら明るく過ごすようにしてください。
参考文献
月経前症候群(PMS)とは|済生会

