猫の歯は病気にかかりやすく、放置すると重症化して強い痛みを感じるほか、口内の細菌が血液にのって全身を巡り、悪影響を及ぼすことも。愛猫に健康で長生きしてもらうためには、毎日のデンタルケアが欠かせません。
そこで今回は、猫のデンタルケアをする際に知っておきたい、猫の歯の構造や歯磨きのポイント、慣れさせる手順などについて、獣医師の藤田桂一先生に解説していただきます。

猫の歯は肉食動物の特徴を備えており、構造・役割ともに人の歯と大きく異なります。
猫の歯の構造と役割
- 切歯(せっし):上下に6本ずつ生えている小さな歯(前歯)。毛づくろいのときに役立ちます。
- 犬歯(けんし):上下2本ずつ生えている長い牙。獲物を捕らえる際に使われます。
- 前臼歯(ぜんきゅうし):犬歯の後ろに上6本、下4本生えている鋭い歯。食物を噛み切る際に使われます。
- 後臼歯(こうきゅうし):上下に2本ずつ生えている奥歯。下の後臼歯は食物を噛み切る際に使われますが、上の後臼歯は小さく、ほとんど役割を果たしません。

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の健康のために歯磨きが必要とわかっていても、「ハードルが高い」などと諦めている飼い主さんも。猫の歯磨きを成功させるには、以下のポイントを意識してみましょう。
歯磨き成功のポイント
- 飼い主さんが「歯磨きするぞ」と力むと、猫も何事かと怖がってしまいます。飼い主さんもリラックスしましょう。
- 猫を長時間拘束するのは避け、なるべく短時間で済ませましょう。ほんの短時間でパパッと進め、猫が嫌がる前にやめてください。
- 1回ですべての歯を磨かなくてもOK。「今日は右上の奥歯だけ」など、1週間ですべての歯を磨く気持ちで進めましょう。
- 猫が好むデンタルペーストを使うほか、歯磨き後におやつを与えるなど「歯磨き=おやつタイム」と印象づけてみましょう。

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫を歯磨きに慣れさせる手順は、次のとおりです。なお、歯石がついている、歯肉に赤みや出血がある、口を触ると痛がるようなそぶりをする場合は、歯磨きで強い痛みを感じている可能性も。事前に動物病院で相談してみましょう。
