農水省が呼びかけ「黒い斑点があっても捨てないで!」
冬の食卓に欠かせない白菜。いざ料理しようと包丁を入れたとき、白い茎の部分に黒いゴマのような斑点がびっしり……という経験、ありますよね。「なんだか気味悪いし、カビかもしれないから取り除こう」と、その部分を削ぎ落として捨ててしまっている人も多いのではないでしょうか。
しかし、その行為、ちょっと待ってください。
農林水産省の公式X(@MAFF_JAPAN)が2025年11月21日、こんな投稿をして話題になりました。
「白菜に写真のような黒い斑点があっても捨てないでください! ポリフェノールなので食べても害はありません」
そう、あの黒い点々の正体は、カビでも病気でもなく、私たち人間にとってもうれしい成分「ポリフェノール」だったのです。農水省のWebサイトによると、この現象は「ゴマ症」と呼ばれるものだそうです。
そもそも「ゴマ症」ってなに? 栄養士が解説
栄養士の視点から、もう少し詳しく「ゴマ症」について解説しましょう。
名前の響きから病気のように聞こえますが、これは白菜が成長する過程で生じる「生理障害」の一種です。
白菜は、高温や低温といった気温の変化、肥料の過多、あるいは収穫後の低温保存などによってストレスを感じると、自らを守るために抗酸化作用のある「ポリフェノール」を生成します。それが細胞壁に蓄積し、黒い斑点として現れたものが「ゴマ症」なのです。
ポリフェノールといえば、お茶に含まれる「カテキン」や、ブルーベリーの「アントシアニン」、大豆の「イソフラボン」などが有名ですよね。これらは老化や生活習慣病の予防に役立つとされる抗酸化物質です。
つまり、白菜の黒い点もこれらと同じ仲間。「見た目がちょっと悪い」というだけで、食べる分には全く害がないどころか、むしろ栄養成分の証とも言えるのです。

