スキマバイトサービス「タイミー」を利用する子持ち正社員男性が増えているーー。そんな現場の実感を吐露するXの投稿が話題になりました。
投稿者の職場では、タイミーに求人を出しています。応募してくる人のうち、中学生以上の子どもがいる正社員の男性が多く、理由は生活費と学費のためだといいます。
近年のインフレによる物価上昇に、賃金の上げ幅が追いついていないという指摘はよく耳にしますが、その穴埋めをスキマバイトで補おうとする人も少なくないのでしょう。
一方で、正社員として働いていると、副業については禁止していたり、申請などの手続きを必要としていたりする企業もあります。タイミーによる仕事は副業にあたるのでしょうか。また、正社員がタイミーで仕事をする場合には注意しておくことはあるのでしょうか。簡単に解説します。
●タイミーでの仕事は「副業」にあたる
タイミーは、企業と働き手をマッチングさせるプラットフォームですが、働き手はマッチングした企業と労働契約(雇用契約)を結び、労務を提供して、対価として報酬を得ます。
このような仕組みによって働く場合、「副業」にあたります。
労働者が勤務時間外の時間をどう使うかは、原則として労働者の自由であり、副業・兼業も原則として自由です。
ただし、企業は、以下のような場合には、就業規則で副業を制限したり禁止したりすることが認められる場合があります。
1)労務提供上の支障がある場合(長時間労働による本業への集中力低下など)
2)業務上の秘密が漏洩する場合
3)競業により自社の利益が害される場合
4)自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
このような事情にあたらないかをチェックするために、副業について届出制となっている会社が多いと思われます。
無申告で副業をして、それが本業に支障をきたすようなケースに発展した場合、就業規則違反として懲戒処分の対象になる可能性があります。
●本業と副業の「労働時間」は通算される
正社員がタイミーなどのスキマバイトをする際に注意が必要なのが、労働時間に関するルールです。
労働基準法第38条1項は、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定めています。
簡単にいえば「複数の違う会社で働いた場合でも、労働時間は通算で計算する」という意味です。
つまり、本業と副業の労働時間を合計して、法定労働時間(原則として1日8時間、週40時間)を超えるかどうかを判断しなければならない、ということです。

