愛犬を外泊させた経験はありますか? 飼い主さんの都合だけでなく、災害時などは愛犬だけで家族以外の誰かに預けることになるかもしれません。そうした緊急事態でも不安なく過ごせるよう、日頃から外泊に慣れさせておくと安心です。
今回は犬の「外泊しつけ」について、BASE Dog Training School代表の鬼澤穣次先生に教えていただきました。

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー
ふだんから外泊に慣れさせておくと、次のようなときに役立ちます。
「外泊しつけ」が役立つシーン
- 飼い主さんの急な入院や出張で、ペットホテルなどに預けるとき
- 冠婚葬祭で愛犬を連れていけないとき
- 災害が発生して、愛犬と別々に避難することになったとき
- 愛犬自身が入院することになったとき
では、どのようにして外泊に慣れさせればいいのでしょうか。ふだんのお世話で取り入れられることも含めてご紹介します。
外出先でもゴハンを食べられるようにする
愛犬とドライブや買い物に出かけたとき、出先でもフードを与えてみて。いろいろな場所でゴハンを食べられると、どこでもふだん通りに過ごせるようになり、外泊先でも平常を保ちやすくなります。
クレートに慣れさせる
ペットホテルなどの預かり施設ではクレートやケージ内で過ごすことが多いので、クレートには十分慣れておく必要があります。
そこで、愛犬がふだん過ごす部屋にクレートを置き、愛犬を見ていられないときなど、こまめに「ハウス(クレート)」を指示しましょう。飼い主さんがトイレに行くときやお風呂に入るときなど、1日に何度もトライして慣れさせて。

初めて預ける場所にいきなり外泊させるのは、愛犬にとってかなりのストレス。まずは日中、朝から夕方まで預けてみて。最初は緊張していたとしても、少しずつ置かれた環境を理解し、夕方には緊張も少しほぐれているはずです。
日中だけ預けることを何度か繰り返し、慣れてきたら宿泊にトライを。とくに用事がないときでも、たまに外泊させて慣れさせておくと、いざというときに安心です。

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー
ペットホテルなどは、可能な限り何カ所かを見て回り、愛犬に合ったところを探しましょう。
散歩の回数や遊びの有無、寝る場所の広さや雰囲気、夜間のスタッフの有無など、できるだけふだんの生活環境に近く、愛犬の性格に合った施設を選ぶと安心です。

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー
預け先には飼い主さんのニオイがついたタオルや大好きなおもちゃなど、愛犬の不安を軽減できるグッズを持ち込んで。
環境の変化でおなかを壊しやすいタイプなら、あらかじめ動物病院で整腸剤を処方してもらって持参すると、体調不良によるストレスも軽減できます。

預けるときに飼い主さんが不安そうにしていると、愛犬にもそれが伝わってしまいます。施設に預けるときは、不安や緊張をあおるような発言・行動は控えて。いつもと同じ雰囲気で、明るく接しましょう。
外泊に慣れさせることで、やむをえず離れなければならないときに、不安なく預けることができます。外出先でのゴハンやクレートに慣れることから始めて、少しずつ進められるといいですね。
お話を伺った先生/鬼澤穣次先生(BASE Dog Training School代表 アニマルファンスィアーズクラブ(AFC) 公認家庭犬しつけインストラクター 優良家庭犬普及協会 グッドシチズンテスト・メインジャッジ)
参考・写真/「いぬのきもち」2025年10月号『今から教えておけば、のちのち助かる!楽になる!あとから効くしつけ』
イラスト/田辺有美(GURIPESS)
文/柏田ゆき
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
