招き猫発祥の神社・お寺
まず、招き猫発祥と言われている神社やお寺をご紹介します。招き猫の発祥に関しては諸説ありますが、下記もそれぞれ発祥地とされている神社やお寺です。
1.豪徳寺|東京都世田谷区
豪徳寺は、江戸時代の彦根藩井伊家の菩提寺です。白い招き猫を購入して家に持ち帰り、願い事が叶った後で再び豪徳寺の招福殿に返納するため、数多くの招き猫が奉納されています。
彦根藩城主の井伊直孝は、鷹狩りの帰りに出会った猫に誘われるように豪徳寺に入ったところ、急な夕立にあいます。しかし雷雨を避けられたため、感謝して豪徳寺を菩提寺としました。お寺の繁栄を喜んだ住職が、福を呼んだ愛猫の像を作り、招福猫児(まねぎねこ)と呼んで祀ったことが、招き猫発祥の由来とされています。
豪徳寺の周辺にある商店街では、毎年5月頃に豪徳寺たまにゃん祭りを開催しています。招き猫にちなんだお店も多く、この時期を狙ってお参りをするのも楽しいでしょう。
2.今戸神社|東京都台東区
江戸時代末期、現在の今戸神社がある近所に住んでいた老婆が貧しさのために泣く泣く猫を手放したところ、愛猫が夢枕で「自分の姿を人形にすれば幸せになれる」と告げたとされています。その言葉に従い、老婆が今戸焼で作った愛猫の人形を浅草寺の参道で売り始めたのが、招き猫発祥の由来です。
今戸神社は、イザナミとイザナギが祀られている、縁結び、恋愛成就、夫婦円満にご利益のある神社として有名です。境内にある「石なで猫」という夫婦猫の石像を撫で、写真をスマホの待ち受けにして毎日祈ると、願いが叶うと言われています。
毎年6月の第1土曜および日曜に開催される、今戸神社例大祭の時にお参りをするのもおすすめです。
3.自性院(じしょういん) 猫地蔵堂|東京都新宿区
自性院も、招き猫発祥の地として「猫寺」と呼ばれているお寺です。
1477年、「江古田が原・沼袋の戦い」で、豊島一族と戦った太田道灌が道に迷い、突然現れた黒猫に案内されて自性院の猫地蔵堂を訪れます。そこで一夜を明かして体制を立て直し勝利したことが、招き猫発祥の由来だとされています。
現在、本堂には当時を偲ばせる猫の像が2体祀られていますが、江戸時代以降長く顔を撫でられたためすり減ってしまい、現在では2月3日節分会の猫地蔵まつりの時にだけご開帳されます。
迷い猫を返してくれる神社・お寺
4.蚕影神社(こかげじんじゃ)|東京都立川市
蚕影神社は、阿豆佐味天神社(あずさみてんじんじゃ)の境内社で、天敵のネズミから蚕を守る猫を守り神としています。
「猫返し神社」とも呼ばれ、三毛猫の絵馬を奉納し、その隣に置かれている「ただいま猫」と呼ばれる猫の石像を撫でると、いなくなった猫が帰ってくると言われているのです。ジャズピアニストの山下洋輔氏のいなくなった愛猫が、お参りをした翌日に戻ってきたという話が雑誌で紹介され、全国に知られるようになりました。
なお、阿豆佐味天神社の本殿は有形文化財で、龍や獅子の彫刻なども一見の価値があります。
5.三光稲荷神社(さんこういなりじんじゃ)|東京都中央区
日本橋堀留町にある稲荷神社で、昔から願いをかけると迷い猫が帰ってくると言われ、実話も多く残されています。例えば人形町通り側の参道入り口に設置されている石碑は、三光稲荷で祈願をしたところ、愛猫が3ヵ月ぶりに帰ってきたことへのお礼として、あるご夫婦が建立したものだそうです。
他にも、猫が帰ってきたお礼としてたくさんの置き物などが奉納されています。現在は常駐の神主さんがいませんが、参拝はいつでもできます。

