仕事のため乗用車で出かけた日のことです。普段から方向音痴だと自覚してはいましたが、その日は「いつものドジ」とは比べものにならないほど心が冷えるような体験をしました。
仕事場近くの駐車場に停めて安心したはずが
仕事先は地方の駅近くにあるビルで、周辺には駐車場がいくつも並んでいました。「よかった、すぐに停められる」と安堵し、一番近い駐車場に車を入れました。
仕事を終えて外に出ると、あたりはすっかり真っ暗。街灯も少なく、駐車場のランプだけがぼんやり光っている光景に、「こんなに田舎だったっけ?」と思わず戸惑うほどでした。
「車がない!?」凍りついた瞬間
急いで帰らないと駐車料金が上がる、と足早に向かったものの、そこにあるはずの車が見当たりません。「えっ? 車は……?」と一瞬で血の気が引いて、その場に立ち尽くしました。
そこから駅前の駐車場を手当たり次第に回り、歩き続けること約2時間。足はボロボロになり、泣きたい気持ちを必死にこらえながら探し続けました。

