複数の名前をもつ猫は、消防署や市役所を統括する「セレブ」に カナダ

複数の名前をもつ猫は、消防署や市役所を統括する「セレブ」に カナダ

職員のストレス解消にも一役

おやつをもらう猫

画像はイメージです

市役所でSparkyは庁舎内を巡回し、職員のようすを確認したり、都市計画担当官のオフィスに立ち寄ったり、市長を訪ねたりします。地域新聞社のオフィスや地元の喫茶店に出入りすることさえあるといいます。

人々は「愛嬌をふりまいて餌をもらい、1日に4、5食ほど食べているのではないか」と疑っています。たしかに体つきは「ぽっちゃり」していて、おやつをたっぷりもらっているようですよ。

Sparkyにおやつをこっそりあげすぎた犯人の1人が、昨年就任した市の最高財務責任者Geoffrey Kreekさんです。彼は執務室にあらゆる種類の猫用おやつを揃えたため、たちまちSparkyのお気に入りに「昇格」し、毎日立ち寄ってもらえるようになったのです。

「Sparkyがやって来るといつも、わたしのズボンをひどく引っ掻きます。いまや携帯電話に入っている写真は、Sparkyを写したものばかりですよ」と彼。

Geoffreyさんにとって、Sparkyはストレスを解消してくれる存在であり、この猫と過ごす時間はリラックスできる気分転換になります。

「彼は議論の多い市議会で本当に役立っています。議事が白熱するとこの猫がうろうろしてみんなの気持ちを紛らわせてくれるので、本当に助かります」というGeoffreyさんです。

若いころには無茶もしたけれど…

ハイティーのイメージ

画像はイメージです

ところが消防署では、この猫は混乱を鎮めるよりもむしろ引き起こすことで知られています。

Jacobさんは「国際女性デー」に市役所の敷地で開催された盛大なイベントを思い出します。地域住民や地元の名士たちが記念碑の除幕式に集まったとき、どこからともなくCatが跳び込んできて、女性たちがお茶を楽しんでいる目の前に、獲物の小さな子ウサギを投げ込んだのです。その後の大騒ぎを想像してみてください。

でも好奇心旺盛なためにトラブルに巻き込まれたこともあります。首都圏管区の危険物処理車が訓練のために訪れたとき、Catはその車に乗ってしまい、遠くの町まで連れて行かれてしまいました。

「でもすぐに電話がかかってきて、『猫を迎えに来るように』いわれたんです。だれもがCatのことを知っていますからね」と話すJacobさんです。

高齢になった今では、Catの冒険は主に地元に限られています。

「最近は動きが鈍くなってきています。歳を重ねるにつれて、どんどん性格も丸くなっていますね。以前はよくネズミ捕りをしていましたが、最近は狩りにはあまり興味がなくなりました。まるでガーフィールドみたいなグウタラ猫なのです」とJacobさん。

でもCatは依然として人間に「これはダメ」といわれて命令されるのは大嫌いです。だからたとえテーブルの上にジャンプしても、だれも文句をいえないそうです。

みんなにやさしくされて、この伝説の猫はすっかり地域に定着しました。いくつもの名前で呼ばれながら、きょうも「縄張り」をゆっくり巡回していることでしょう。

出典:Purr-fectly in charge: Meet the cat who’s become top dog in a B.C. fire hall

提供元