よく足がつる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?メディカルドック監修医が解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「足がつる」原因はご存知ですか?治し方・病気も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修
「足がつる」症状で考えられる病気と対処法
日常生活やスポーツなどさまざまな場面であしがつる時に考えられる病気はいくつかあります。具体的には、ミネラルバランスの乱れ、脱水、熱中症、神経の障害、糖尿病、血流不良などが挙げられます。詳しく解説していますので、一緒にみていきましょう。
足がつる症状で考えられる原因と治し方
足がつるときに考えられる原因の代表的なものとして、ミネラルバランスの乱れがあります。ミネラルとは、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどを指し、これらは筋肉が動くのに欠かせないものです。
ミネラルが何らかの原因で、体内で足りなくなると足がつるという症状が現れます。
ミネラルが乱れる原因には食事や運動などさまざまなものがありますので、以下で詳しく解説していきます。
足のふくらはぎがつるこむら返りの症状で考えられる原因と治し方
足のふくらはぎがつる時にも、考えられる主な原因としては前述のミネラルの乱れです。
そのミネラルの乱れの原因には、脱水や熱中症などが挙げられます。
夏場のスポーツで脱水や熱中症になることはよく注意喚起がされていますが、最近増えているのが室内での熱中症です。屋内でエアコンをつけずに過ごしていると、時期によっては非常に温度が高くなり、熱中症となってしまうことが多々あります。
年をとるほど人はのどの乾きを感じにくくなるということがわかっています。高齢者が室内で熱中症になってしまい救急車で運ばれる、という状況が現在非常に増加しており問題視されています。
屋外でも屋内でも、ミネラルを含んだスポーツドリンクなどの水分を摂取することが非常に重要です。
足のふくらはぎがつったときのおすすめの治し方は、足先を上に持ち上げるような動作で、ふくらはぎの筋肉を伸ばしてあげることです。痛くて自分でできない場合は、周囲の方にしてもらうとより効果的です。
足のすね、足の指、足の裏がつる症状で考えられる原因と治し方
足のすねや指、足の裏がつるという時、考えられる主な原因はふくらはぎと同様です。
治し方としては、基本的につっている部位にある筋肉を伸ばしてあげることが重要です。
あしのすねであれば、ふくらはぎを治すときと反対に足の指を下に向ける方向に曲げると治りやすいです。
足の指がつっている時は、足の裏にある指を曲げる筋肉がけいれんしていることが多いです。指を上に持ち上げる方向に伸ばしてあげてください。
反対に足のうらがつっている時も同様に、指を上に持ち上げる方向に伸ばすとよいでしょう。
寝ている時に足がつる症状で考えられる原因と治し方
寝ているときに足がつるとき、最も考えられる原因は脱水です。寝ている間の6〜8時間は全く水分摂取をしないうえに、汗をたくさんかきます。人は一晩で約500mlの汗をかきますので、寝る前から少し脱水傾向であれば、寝ている間や朝の起床時に、非常に脱水に陥りやすい状態にあるといえます。
日中に激しい運動をする日や、あまり水分摂取が出来ていない日は特に注意が必要です。
運動中に足がつる症状で考えられる原因と治し方
運動中に足がつる時、考えられる原因には前述のミネラルの乱れに加えて、筋肉疲労もあげられます。
まずミネラルの乱れについてです。スポーツ中には非常にたくさんの汗をかき、水分と共にミネラルもたくさん体外に失われます。この時、適切な水分とミネラルの補給ができていないと、あしがつったり、熱中症を起こすリスクが非常に高くなります。
スポーツ中にスポーツドリンクではなく、単なるお水や、お茶などを飲んでいる方は水分だけの補給となり、ミネラルが不足する確率がさらに高くなりますので、注意してください。スポーツドリンクや補食などでミネラルが補うように気をつけましょう。
筋肉疲労によって足がつることもあります。筋肉が過度に疲労し、筋肉内でのミネラルなどの不足なども相まって、神経系で調節されている筋肉の張りが上手くコントロール出来ずに足がつることがあります。日頃運動をしていない人や、普段運動をしていても、いつもより強度の高い運動をすることでおきやすくなります。適度に休息をとったり、運動前後のストレッチなどケアをしっかりしたりすることで予防しましょう。
すぐに病院へ行くべき「足がつる」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
足だけでなく全身がつるような症状の場合は、救急科へ
足など体の一部がつったときは、筋肉を伸ばしながら休息をとり、ミネラルと水分を補給すれば改善することが大半です。しかし、全身がつるような場合はあまりにも体への負担が大きく、熱中症を起こしている可能性も高いので病院の受診をおすすめします。
特に、声掛けに対する反応が悪いなど意識に異常があるような場合は、急いで医療機関を受診しましょう。

