公衆トイレや温泉での「異性スタッフによる清掃」。特に「男性のエリアに女性スタッフが入る」という光景は、日本では珍しくありません。
しかし、ジェンダー平等やプライバシー意識が急速に高まる令和の今、こうした慣行は世の中からどう見られているのでしょうか。
弁護士ドットコムニュースが読者に意見や体験談を募ったところ、およそ40件の声が寄せられ、「時代錯誤の慣習だ」といった利用者の疑問や、清掃を担うスタッフ側の切実な悲鳴も浮かび上がりました。
●「男だって見られるのは嫌だ」無視されてきた羞恥心
「男子だけが不特定多数の前で着替えさせられていて、恥ずかしいという声も聞かれました。今まで男性は『男なら恥ずかしがるな』と慣れさせられてきましたが、時代錯誤の悪習です」
埼玉県の学童保育で働く20代男性からは、現場で見た光景についての経験談が寄せられました。
銭湯や温泉を利用する人からも、率直な不快感が伝わってきます。
「脱衣場を横切って来られると、こちらが裸のときに見られるのがとても嫌だ」(京都府・60代男性)
「座って洗髪している時に、隣の椅子を無言のまま洗ったりしていると驚きます。客は裸なので少しは他者への気遣いがあってもよいのでは」(北海道・60代男性)
東京都の50代女性は「30代のとき、温泉宿の朝風呂に男性清掃員が入ってきてトラウマになった」と語ります。
性別を問わず、異性に無防備な姿を見られることへの抵抗感はたしかに存在しています。
●「おばさんだから平気でしょ?」女性清掃員が受ける苦痛
見逃せないのは、望まない清掃業務を押し付けられるスタッフたちです。
女性、とくに年配の女性なら「男性の裸や排泄を見ても平気だろう」という偏見が根底にあるのかもしれません。
大手家電量販店に勤務していたという大分県の60代女性は、忘れられない出来事を明かします。
「トイレ掃除は女性スタッフがする」というルールがあり、「男子トイレの掃除はしたくない」と上司に伝えると、「おばさんが、何言ってんの?」「おばさんなんだから平気でしょ」と言われたというのです。
「私たちだって見ず知らずの男性の性器なんて見たくありません!」


