「血糖値」が上がると現れる「症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「血糖値」が上がると現れる「症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

血糖値が上がるとどうなる?メディカルドック監修医が血糖値が上がると現れる症状・原因などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「血糖値」が上がると現れる「症状」や上がりやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血液中のブドウ糖濃度、血糖値とは?

血液中のブドウ糖濃度、血糖値は健康診断などの採血項目の一つです。
糖尿病やメタボリックシンドロームの判定に使用されます。
基準値より高いとどうなるのか、症状や病気について解説します。

血糖値とは何?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。採血や血糖測定器で検査ができます。
食事をして、食べ物が消化・吸収されると血液中にブドウ糖が入り血糖値が上昇します。
ブドウ糖とはエネルギー源となる3大栄養素の一つである糖質です。
血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌され、細胞に糖を取り込み、体や臓器を動かすエネルギー源として使われます。
体内ではインスリンや血糖を上げる数種類のホルモンの働きによって、血糖値はほぼ一定に調節されています。

血糖値の基準値は?(空腹時/食前/食後)

血糖値は食べ物の影響を受けるため、食事(エネルギーがある物の摂取)をしてからの経過時間によって基準値が異なります。

空腹時(10時間以上の絶食) 110mg/dL未満

食前(食後3.5時間以上10時間未満) 110mg/dL未満

食後(食事をしてから2時間後) 140mg/dL未満

血糖値が上がると出る症状

血糖値は上がったり下がったりを繰り返し、一定の範囲内になるように調節されています。生活習慣の乱れや運動不足などで血糖値が下がりにくくなると、血糖値が高い状態(高血糖)が続くようになります。高血糖になっても始めのうちは自覚症状がないことが多いです。症状が現れた時にはすでに糖尿病を発症している可能性があります。

口渇・多飲・多尿

血糖値が上がった状態が続くと、腎臓で余分な糖を排出するようになり多尿になります。
多尿になると、体内の水分が不足するため口渇が起こり、多飲になります。
水など糖を含まない飲み物を十分に摂ること、健康診断などで高血糖を指摘されている場合は速やかに一般内科を受診しましょう。

体重減少

血糖値が上がった状態が続くと、インスリンの働きが悪くなり、細胞に糖を取り込めなくなります。食べ物から十分な量のエネルギーを摂取していても、利用できなければ体はエネルギー不足です。代わりのエネルギー源として筋肉や脂肪を分解してしまい、これが体重減少の原因となります。

疲労感

血糖値が上がった状態が続くと、インスリンの働きが悪くなり、細胞に糖を取り込めなくなるためエネルギーが不足し疲れやすくなります。
健康診断などで高血糖を指摘され、疲れやすいなどの症状がある時は、糖尿病を発症している可能性があるため、速やかに一般内科を受診しましょう。

意識障害・昏睡

血糖値が上がった状態が続き、インスリンの働きが悪くなって糖を利用できなくなると、脂肪やたんぱく質を分解してエネルギー源にします。脂肪を分解するとケトン体という物質が作られ、これが増えすぎると体が酸性になります。また、高血糖により極度の脱水状態にもなります。倦怠感や嘔吐などの症状が現れ、悪化すると意識障害や昏睡となり命が危険な状態です。
インスリンが分泌されなくなる1型糖尿病の発症や、糖入りの飲み物を大量に摂取して高血糖になると、意識障害や昏睡になる場合があります。
脱水症状や意識障害などの症状がある場合は救急要請をしてください。

配信元: Medical DOC

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