「朝起きると頭が重く痛い、立ちくらみもする」といった症状は低血圧が関係している頭痛かもしれません。血圧が低いと脳に十分な血液が届きにくくなり、めまいや倦怠感などさまざまな症状を引き起こすことがあります。その一つが頭痛の症状です。本記事では低血圧と頭痛の関係について、頭痛が起こるメカニズムやほかの病気との違い、対処法や受診の目安などを解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
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脳神経内科
眼科(角膜外来)
低血圧と頭痛の関係とは

低血圧とはどのような状態ですか?
低血圧とは、一般的に血圧の測定値が正常範囲よりも低い状態を指します。明確な基準は高血圧ほど厳密ではありませんが、収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下が低血圧の目安です。ただし、血圧が低いこと自体が病気というわけではありません。血圧の低下によるめまいや失神などの症状や臓器への血流低下が起こって初めて、低血圧症という病的な状態になります。言い換えれば、症状がなければ単に体質的に血圧が低いだけで治療の必要はない場合も少なくありません。
低血圧で頭が痛くなることはありますか?
低血圧の方はめまいや立ちくらみといった症状を訴えることが多いですが、頭痛や頭重感が生じることもあります。実際に、血圧の低下で脳への血流が不足すると頭痛やめまい、立ちくらみが起こる場合があります。特に、急に立ち上がったときなどに起こりやすいのが特徴です。
また、睡眠不足や過度なストレス、長時間の同一姿勢などが重なると、脳への酸素供給がさらに低下し、頭の重だるさや圧迫感が増すこともあります。気圧や気温の変化など環境要因の影響も受けやすいため、季節の変わり目や気候の急変時には症状が強くなることもあります。
このように、低血圧に起因する頭痛は複数の要因が重なることで生じることもあり、原因が明確に自覚されにくいのも特徴の一つです。
低血圧で頭痛がするメカニズムを教えてください
低血圧で頭痛が起こる主な原因は、脳の血流が一時的に不足することによると考えられています。通常、血圧が適切に保たれていると、心臓から送り出された血液がスムーズに脳に届き、酸素や栄養を安定して供給できます。しかし、血圧が低下するとその流れが弱まり、脳細胞が必要とする酸素やブドウ糖などの栄養が十分に届かなくなります。
この状態が続くと、脳は軽い酸欠状態に陥り、頭がぼんやりするような感覚や、重だるい痛みが生じることがあります。特に長時間の立位や急な姿勢変化によって、血液が下半身にたまりやすくなり、さらに脳への血流が減少するため、症状が強まることがあります。
低血圧は頭痛以外にどのような症状を引き起こしますか?
低血圧による代表的な症状には立ちくらみやめまいがあります。そのほかにも、低血圧があると下記のような症状が出ることがあります。
朝起きづらい
全身のだるさ
肩こり
動悸
胸の圧迫感
失神
吐き気
全身への血流が不足することで、身体のだるさや集中力低下など日常生活に影響する多彩な症状が現れる可能性があります。症状の出方や強さに個人差はありますが、これら症状によって日常生活に支障が出る場合もあります。
低血圧による頭痛の特徴とほかの病気との見分け方

低血圧による頭痛にはどのような特徴がありますか?
低血圧が原因で起こる頭痛は鈍い痛みがじわじわと続きます。片頭痛のようにズキズキと脈打つ鋭い痛みではなく、頭が重い感じ(頭重感)を伴うのが特徴です。また、横になって休むと痛みが和らぎ、逆に立ち上がったときや朝起床直後など血圧が低いタイミングで症状が出やすい点も低血圧性頭痛の特徴です。
低血圧による頭痛とほかの病気による頭痛の違いを教えてください
低血圧が原因の頭痛は鈍い痛みで立ちくらみを伴いやすく、横になると改善する傾向があります。これに対し、片頭痛はズキズキと脈打つ痛みが多く、吐き気を伴ったり光や音に過敏になったりする点で異なります。痛み方も、片頭痛が頭の片側もしくは両側に発作的に強く現れることが多いのに対し、低血圧の頭痛は全体的にじんわりと続く傾向があります。
また、緊張型頭痛は首や肩のこりによる締め付けられるような痛みが特徴で、ストレスや長時間の同一姿勢が誘因となります。低血圧による頭痛は緊張型頭痛とも似ていますが、朝の起床直後から不調があったり立位で悪化したりする点で区別できます。

