低血圧による頭痛への対処法と受診の目安、病院での治療法

低血圧が原因の頭痛にはどのように対処すればよいですか?
まずは安静にして、可能であれば横になって身体を休めましょう。横になることで重力の影響を受けにくくなり、脳への血流が確保されやすくなるため、頭痛や頭のぼんやり感がやわらぐことがあります。頭を少し高くして寝ると、めまいの悪化を防ぐことができる場合もあります。
また、日常的に低血圧でつらさを感じている場合は、脱水状態にならないように水分をこまめに摂取することが重要です。夏場や長時間の立ち仕事の際は、意識的に水分とともに適度な塩分を補うようにしましょう。
朝起きたときや長時間座った後の急な動作で症状が出やすい方は、起き上がる前にベッド上で軽く手足を動かしてから立ち上がるなど、急激な体位変換を避ける工夫も効果的です。
さらに、ウォーキングやストレッチ、軽めの筋トレといった適度な運動を日常的に取り入れることで、全身の血行がよくなり、低血圧そのものの改善にもつながります。
セルフケアで頭痛が治らないときはどうすればよいですか?
セルフケアでも頭痛が改善しない場合は無理をせず病院を受診しましょう。症状が長引いて日常生活に支障が出る前に、医療機関で相談することをおすすめします。めまいや失神を伴う場合や頭痛の頻度が多い場合も早めに受診しましょう。経験したことがない激しい頭痛や神経症状があるときは低血圧以外の原因も疑われるため、速やかに医療機関を受診してください。
病院では頭痛の原因をどのように調べますか?
医療機関ではまず血圧の測定を行い、基準値よりも著しく低いかどうかを確認します。特に、起立性低血圧が疑われる場合は起立試験と呼ばれる検査を行い、横になった状態と立ち上がった状態で血圧や脈拍の変化を比較し、血圧が急激に低下する傾向がないかを確認します。
加えて、血液検査では貧血(ヘモグロビンの低下)や甲状腺機能の異常、副腎などのホルモンバランスの異常がないかを調べ、低血圧の背景にほかの疾患が隠れていないかを評価します。心電図や心エコーでは、心拍のリズムや心臓のポンプ機能を確認し、不整脈や心機能低下の有無を調べます。
さらに、重い頭痛や神経症状を伴う場合には、脳出血や脳腫瘍などの器質的疾患を除外するため、MRIやCTなどの画像検査が行われることもあります。症状や問診結果をもとに、必要な検査を組み合わせて総合的に評価します。
低血圧による頭痛の治療法を教えてください
低血圧に対する治療はまず生活習慣の改善が基本です。それでも症状が強い場合、昇圧薬の服用が検討されます。代表的な昇圧薬にはミドドリン塩酸塩などがあり、血管を収縮させて血圧を上昇させます。ただし、薬には副作用の可能性もあるため、医師の指示のもと慎重に使用しましょう。
一方、低血圧を招く原因疾患がある場合はその治療が優先されます。その原因疾患が改善することで、低血圧による症状も改善することが期待できます。
編集部まとめ

低血圧による頭痛は軽くみられがちですが、放置すれば日常生活に支障をきたすこともあります。ただし、適切なセルフケアや生活習慣の工夫によって症状は改善あるいは予防が可能です。朝なかなか起きられない、頭が重いといった不調が続くときは一度血圧を測ってみましょう。低血圧が原因であれば早めに対策を始め、症状が重い場合や長引く場合には医療機関で相談して適切な治療を受けることが大切です。
参考文献
『4.低血圧』(愛知県薬剤師会)
『頭痛の診療ガイドライン2021』(日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会)
『片頭痛』(日本神経学会)
『緊張型頭痛』(日本頭痛学会)

