異動もかなわず
私は意を決して、直属の上司に事情を話し、相談した。
「…ということなんです。人手不足なのは承知していますが、部署異動をお願いできませんか」
上司は困った顔で答えた。
「宮田さんの気持ちは理解した。でも今は異動してもらえる場所がないし、この部署も君がいないと困るんだよ。加藤には注意しておくから。ね?」
結局、異動は叶わなかった。注意なんて、絶対に効果があるはずがない。その予想通り、加藤さんの行動はエスカレートした。
「宮田さん、加藤くんと付き合ってる?加藤くんが自分でうわさ流してるよ?」
別の同僚が、耳打ちしてくれた。否定すると、さらに翌週には「加藤くんが遊ばれたって言ってる」「男遊びのせいで離婚したってうわさが流れてるよ」――そんな心ない言葉が、職場の空気のように漂い始めた。
パートの山下さんは相変わらず味方でいてくれていたけれど、あまりの状況に頭を抱えていた。
「最低だね…いったいこんなことして、何になるって言うんだろう」
私の居場所はどんどんなくあんり、私はもう限界に近付いていた―――。
あとがき:噂という名の精神的暴力
好意を拒否されたことへの報復として、加藤さんが選んだのが「噂」と「業務外の圧力」でした。これは典型的なパワーハラスメントであり、精神的な暴力です。特に、シングルマザーという立場は、「子どもを言い訳にサボる」「男遊びが激しい」といった、最も傷つきやすい部分を攻撃する材料にされてしまいます。
上司の「注意喚起」が全く機能せず、むしろ事態が悪化する展開は、組織におけるハラスメント問題の根深さを浮き彫りにします。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

