そんな宇垣さんが映画『佐藤さんと佐藤さん』についての思いを綴ります。●作品あらすじ:活発でアウトドア好きな佐藤サチと、真面目でインドア派の佐藤タモツは大学で出会い、交際・同棲を経て結婚。タモツの司法試験を支えるため共に勉強を始めたサチが合格し、弁護士に。育児と仕事、価値観の違いから生活が少しずつズレていき、二人の関係にヒビが入り始める――性格も立場も異なる夫婦の15年間をリアルに描いた人生ドラマ
男女の機微をリアルに描いたマリッジストーリーを宇垣さんはどのように見たのでしょうか?(以下、宇垣美里さんの寄稿です)時の流れは容赦なく、関係を風化し劣化させる
自分とはこんなにも違う人がいるだなんてと圧倒されながら、でもそんなところが魅力的で愛おしくてたまらなかったはずなのに、今はもうその違いがどうしたって許せない。さりとて変われるとも、変わって欲しいとも思わない。ああ、あんなに愛していたはずなのに。時の流れは容赦なく、人の気持ちを、その関係を風化し劣化させてしまう。
弁護士を志して勉強を続けてきた男女のその後
大学の同級生である活発な佐藤サチと真面目な佐藤タモツは、正反対ながら馬が合い、いつしか付き合うように。弁護士を目指すタモツが孤独な勉強に苦戦し、なかなか合格しないのを見かねたサチは、一緒に司法試験の勉強をすることで寄り添おうとする。サチに教えることでタモツのモチベーションも上がっていたが、結果合格したのはサチのほうだった。
さらにサチの妊娠がわかり、ふたりは結婚。弁護士として家計を支えるべく働くサチと、家事と育児をしながらでなかなか受験勉強がままならないタモツ。ふたりの間には少しずつ溝が生まれていく。

