
吉高由里子が主演を務める舞台「パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』」のプレスコール及び開幕前会見が12月7日に東京・PARCO劇場にて行われ、主演の吉高の他、共演のさとうほなみ、桜井日奈子、山口紗弥加が登壇。開幕に向けての意気込みや稽古中の印象的なエピソードなどを語った。
■直接的なコミュニケーションが希薄となった現代社会に一石を投じる蓬莱竜太の新作
同作は、蓬莱竜太が作・演出を手掛け、現代社会に潜む矛盾や孤独を、繊細かつ圧倒的な筆致で描く女性たちの群像劇。主人公たちが社会人として働く現在と、大学時代の過去とを行き来しながら、人間関係のもつれやSNS時代に生きる人々の光と闇を浮き彫りにする。
12月7日(日)~28日(日)まで東京・PARCO劇場、その後1月30日(金)まで、大阪・福岡・長野・愛知にて順次上演される。
■吉高由里子「こんなにあっという間の1ヶ月間はなかった」
初日を迎えるにあたり意気込みを問われた吉高は「11月1日から稽古が始まって、こんなにあっという間の1カ月間はなかったんじゃないかなと思って、まだ初日が始まる実感がないです。始まったら今度は終わりに向かっていくのかと思うと、稽古場の思い出がすごくフラッシュバックするような感じで。みんな欠けることなく走り切れたらいいなという気持ちで、毎日お祈りしています」とコメント。
さとうは「稽古が始まった当初はまだ台本が最後までなくて、40ページぐらいしかなかった」と暴露しつつ、「演じていて、やっぱり蓬莱さんの作品は本当に面白いなと感じているところです。なので、皆さんにもぜひ楽しんでいただけたらと思います」と呼び掛けた。
桜井は「やる気は満々です!」と屈託のない笑顔を見せる。そして、「私も蓬莱さんの作品に出演できるのは本当にうれしくて、念願だったのでこんな幸せなことはないなと思っていますし、すてきな先輩方とご一緒できるのが本当にうれしいです。いっぱい技を盗みたいと思っています」とアピールした。
山口は「毎回舞台が終わる頃には号泣してしまうような作品で胸を打たれるので、それをきちんとお客さまにお届けしたいなと思います。とにかくフットサルのお話で体を酷使するので、けがなく、チーム力を見せつけたいなと思います」と語った。


■山口紗弥加「どうしても京都の旅館の女将さんになってしまって…」
吉高はかねてより蓬莱作品への出演を熱望していたといい、実際に演出を受けてみての感想を問われると、「演じていても聞いていても、印象に残るセリフがいっぱいあるなと思って。作品は癒されるものではなく、ちゃんと傷つく作品だなとは思うんですけど、みんなが蓬莱さんを信頼しているから、こういう温かい現場なんだろうなというぐらい、作品とは真逆の環境で毎日笑顔が絶えないです」と話した。
劇中で石川弁を話すキャストたち。山口は「私はどうしても京都の旅館の女将さんになってしまって、よく蓬莱さんから注意されていました(笑)」と明かし、それを聞いていた吉高も「気を抜いたらはんなりしちゃう(笑)」と隣で爆笑。
さとうも「(石川弁の)指導とかはなかったですもんね。蓬莱さんが気になるところだけ直す感じだったので、正解がまだ分からない(笑)」と応戦し、笑いを誘った。
また、登場人物たちがフットサル部に所属していることにちなみ、学生時代に熱中していたものや最近熱中しているものを問われると、桜井は「私は学生時代はバスケをずっとやっていて。今はビューティーフードアドバイザーという資格を取ったんです。主に食事と美容に関する知識みたいな。今私たち体調を崩せないじゃないですか。だから、免疫力とかそういうものに効く食事とかにすごく熱中しています」と明かした。
今年の振り返りと来年の抱負を問われると、さとうは「実にシャイニングな1年になったかなと思います。この作品で今年が終わって、この作品で来年が始まるので、けがなくみんなで駆け抜けられたらなと思っています」と宣言。
最後に吉高が「女子7人男子1人の8人で、力一杯、精一杯やっています。誰かが転びそうになったら誰かが救い上げてくれるようなチームワークもできていると思います。フットサルも頑張っていますので、私たちの戦う姿を見届けてください」と呼び掛け、会見は終了した。

■「シャイニングな女たち」あらすじ

金田海(吉高)は、社会人として働くかたわら、他人のお別れの会に紛れ込み、ビュッフェを食べて帰るという行為を繰り返していた。
ある日、入り込んだ会場で金田は偶然見覚えのある顔たちに出会う。それはかつて自分がキャプテンを務めていた大学時代の女子フットサル部の仲間たち。親友の山形圭子(さとう)の姿、敵視していた顧問の川越瑞希(山口)の姿まであった。
遺影には同じピッチに立っていた後輩・白澤喜美(桜井)の姿。
“私はなぜ呼ばれていないのか”――現在と輝いていた大学時代が交錯していく。

