市販の老眼目薬の作用と注意点、老眼の進行を抑える方法

市販の老眼治療の目薬は老眼を改善することはできますか?
残念ながら、市販の目薬で老眼そのものを治すことはできません。市販の老眼対策用の目薬には、先述のようにピント調節を補助する成分(ネオスチグミンやビタミン類など)や、角膜を保護したり、乾燥を防いだりする成分が含まれています。これらにより目の疲れやかすみ目をやわらげたり、潤いを与えたり効果は期待できます。しかし、加齢で硬くなった水晶体や衰えた毛様体筋そのものをもとに戻すことは、どの市販されている目薬でもできません。そのため、市販の目薬で老眼そのものを改善することは難しいといえるでしょう。
市販の目薬を使用する際の注意点を教えてください
市販の目薬を使う際は、用法用量を守り正しく使用することが大前提です。そのうえで、以下のような点に注意しましょう。
頻回・長期使用は避ける
コンタクトレンズ装着時はコンタクト用の目薬をする
アレルギーのある成分が含まれていないかを確認する
市販の目薬で害になることは少ないですが、上記を守らないとドライアイやアレルギー性結膜炎など目のトラブルにつながることがあります。用法用量を守り、正しく市販の目薬を使うようにしましょう。
生活習慣や食習慣を見直すことで老眼の進行を抑制することはできますか?
はい、良好な生活習慣や食習慣は老眼の進行をやわらげる助けになります。老眼そのものを完全に防ぐことは難しいですが、目の負担を減らすことで症状の出現や進行を遅らせる効果は期待できます。以下に具体的なポイントを挙げます。
ルテインやゼアキサンチンなど抗酸化作用のある栄養素を摂る
長時間の近距離作業(スマートフォンやパソコンなど)を避ける
20分に1回は20秒間、20フィート(約6m)先を見る(20-20-20ルール)
日常生活では照明を明るく保つ
食事ではルテインやゼアキサンチンをはじめとした、抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂るようにします。これらは白内障などの目の病気の予防につながり、老眼症状が進むのを遅らせることが期待されます。
また、スマホ老眼という言葉があるように、スマートフォンなど近距離作業を避ける、十分な休憩を取るなどの生活環境を整えることが老眼症状の軽減につながります。
もちろん、これらの対策を行っても、老眼の症状が出ることがあります。しかし、これら生活習慣や食習慣を取り入れることで、少しでも老眼の症状が出現しにくくなり、進行を遅らせることができるかもしれません。
編集部まとめ

老眼は年齢とともに誰にでも起こりうる身近な目の変化です。近年登場した老眼改善目薬は、老眼鏡に頼らず手元の視界を一時的にクリアにできる新しい選択肢として注目されています。老眼と上手に付き合うことで、年齢を重ねても読書や手芸など近くを見る活動を快適に楽しむことができます。「もしかして老眼かな」と思ったら早めに眼科で検査を受け、自分に合った対処法で早期からケアすることが、快適な視生活を送るポイントです。老眼鏡の使用や目薬やセルフケアを取り入れ、上手に目をいたわりながら、年齢に負けずクリアな視界を保ちましょう。
参考文献
『老視(老眼)』(日本眼科学会)

