ある日の夕方、5歳の孫と一緒に買い物へ出かけたときのことです。何げない日常のひと幕が、思わぬ恥ずかしさと子どもの純粋さを改めて感じる出来事になりました。
レジ前で響いた思わぬひと言
その日、私は孫と近所のスーパーへ向かい、お菓子や果物を選んでレジに並んでいました。夕方で混み合う列の中、突然、孫が大きな声で「おじいちゃん、お金足りるの?」と言い放ったのです。
その瞬間、周囲のお客さんが一斉にこちらを見て、私は顔が熱くなるほど恥ずかしくなりました。財布にはしっかりお金が入っていたものの、まるで本当に支払いに困っているかのように見えたのでは……と、内心ひやひやしていました。
思いがけない理由と、子どもの真っすぐさ
家に帰って落ち着いてから、「どうしてあんなことを言ったの?」と孫に尋ねました。すると、以前私が「節約が大事ね」と話した言葉を覚えていて、心配になって聞いたのだと言うのです。
悪気などまったくないことはわかっていましたが、あの場で浴びた視線を思い出すと、今でも少し冷や汗が出ます。それでも、孫の純粋な気持ちが伝わり、胸がじんわり温かくなりました。

