寒い時期になるとどうしても気になることのひとつが、お部屋の乾燥対策ではないでしょうか。特に寝ているときは、無意識に喉が乾燥してしまい、朝になると違和感や痛みを感じてしまうことも…。そんなとき、マスクをつけて寝るのは効果的なのでしょうか。上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。
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就寝時にマスクを着用しても問題はない?(画像はイメージ)
就寝時は布製のマスクがお勧め
Q.冬の朝、起床時に喉が乾燥していたり、喉が痛くなったりしていることがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
山本さん「一番考えられる要因としては、寝室の湿度が低いという点ですね。冬になると、どうしても空気が乾燥してしまうのは仕方がないことではあるのですが、加湿器などを使わずにエアコンやファンヒーターなどの暖房器具で部屋を暖めていると、さらに湿度が低下していくという悪循環になってしまいます。
ほかに考えられることとしては、寝ている最中に無意識に口呼吸になってしまっているケースですね。冷たい空気が鼻を通さずにそのまま喉まで届いてしまうことから、乾燥して喉が痛くなる要因の一つになるといえます。あとは軽い脱水症状のような形で、体内の水分不足のサインとして表れることも考えられますね」
Q.では、就寝時に喉の乾燥が気になる場合、マスクを着用して寝ても問題はないのでしょうか。
山本さん「マスクを着けることで、口の周りや喉の乾燥を防ぎやすくなるというメリットは確かにあります。冷たい空気が直接喉に到達しないため、体の冷えを防ぐということも期待できますね。
ただ、普段から就寝時にマスクを着けている人であれば気にならないとは思うのですが、マスクを着け慣れていない人は違和感を覚えてしまうと、それが気になって寝付きが悪くなり、なかなか寝付けないということにつながってしまう可能性がありますね。マスクの種類によっては、息苦しさや、肌とこすれてしまう感覚が気になってしまうこともあると思います。
なるべく違和感なくマスクを着用して寝たいという人は、マスクの素材を肌触りのよいものに変えていただくことをお勧めします。マスク本来の役割としては不織布が推奨されているとは思いますが、就寝時には肌触りや清潔に使えることを優先した方がより使いやすいと思いますので、布製や天然素材のもので、洗濯が可能なマスクを選んでいただくと良いと思います」
Q.就寝時に喉の乾燥が気になる場合、マスクの着用以外にはどのような対策が有効なのでしょうか。
山本さん「一番有効なのは、やはり『室内の湿度を適切に保つ』ということが重要になってきます。暖房器具と一緒に加湿器を使うなどして湿度を50~60%程度に保てると、喉の渇きや痛みというのは感じにくくなると思いますね。
また、体の脱水傾向を緩和するには、寝る前に喉を潤す程度に、コップ一杯ほどの水で水分補給をしていただくのも一つの手です。ただし、このときにカフェインの入ったお茶やアルコールを飲んでしまうと、利尿作用によって途中でトイレに行きたくなってしまい、眠りが浅くなることが考えられるため、必ず水もしくはさゆを飲むようにしましょう」
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本来、マスクはウイルスや細菌を守るために着用するものですが、寝るときに使用する際はやはり眠りを妨げないようにすることが重要です。加湿器の使用や脱水症状の対策とともに、冬の乾燥を乗り切る工夫をしてみてくださいね。
