「このまま死んでしまうのではないか」というほどの辛い身体症状に悩まされた経験はないでしょうか。
パニック障害では、突然起こるパニック発作によってこのような不安や恐怖に襲われることがあります。
パニック障害と向き合い症状をコントロールするためには、どのような病気なのか知っておくことが大切です。
今回は、そんなパニック障害について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「パニック障害」とは?症状・原因・対処法も併せて解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
稲川 優多(医師)
自治医科大学勤務。医学博士、公認心理師。日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、精神保健指定医。
パニック障害の予後と日常生活の注意点

パニック障害は治りますか?
パニック発作や予期不安を経験したことがある人にはわかりますが、「治らないのではないか」「一生病気と付き合うのか」という不安に駆られることがあります。不安になるのも無理はありませんが、パニック障害は適切な治療を受ければ治る病気です。
しかし、パニック発作やパニック障害を放置すると外出が困難になり、ますます発作に対する不安を高めてしまいます。パニック障害は抑うつ状態・うつ病を併発することも多いため、早期発見・早期治療が大切です。
パニック障害を放置しても自然に治ることはほとんどなく、むしろ慢性化して抑うつ状態やうつ病になるリスクを高めます。辛い症状があれば、1人で悩まず受診することをおすすめします。
日常生活における注意点を知りたいです。
パニック発作は疲労や睡眠不足で起こりやすくなるといわれているため、しっかりと睡眠をとって疲れを溜めないことが大切です。規則正しい生活や栄養バランスのとれた食生活を心がけてください。
カフェイン・アルコール・ニコチンは避け、日中は適度に身体を動かしましょう。また、パニック障害は数回の受診で治療が完了するものではありません。治療を中断しないため、そして再発しないためにも信頼できる医師をみつけることが大切です。
「最近発作が起こらないから」と自己判断で薬を中断せず、医師の指示に従いながら薬を調整しましょう。日常生活や薬のことなど、気になることがあれば早めに医師に相談するのもパニック障害の治療で大切なポイントです。
周囲の人はどのようにサポートすればよいですか?
パニック障害の患者さんの中には、「周囲の人に理解されない」と思い苦しむことも少なくありません。身体には異常がないため「大げさ」「気の持ちよう」という言葉で片づけられてしまうことがあります。しかし、本人は度々起こるパニック発作や予期不安に苦しみ、「死ぬかもしれない」という死の恐怖に直面しているのです。
もし友人やご家族など、身近にパニック障害の人がいたら、相手の不安や恐怖を否定しないでください。辛い気持ちに共感したり温かい言葉をかけたりするだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
誰かが側にいてくれるという安心感は、パニック障害の患者さんにとって大きな心の支えになるでしょう。そのためにも、病気の症状や治療などについての理解が必要です。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
「パニック障害」と聞くと、何となく特別な病気のように感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、1,000人に6〜9人がかかる、誰でもなりうる病気です。
突然動悸・めまい・手足の震え・窒息感などの身体症状が出ると、不安や死の恐怖を抱くのも無理はありません。パニック障害になると不安や恐怖だけでなく、孤独感に悩む人も多いです。
適切な治療を受ければ治る可能性がある病気のため、1人で悩まず受診することが大切です。
編集部まとめ

パニック障害はパニック発作が繰り返される病気で、予期不安や広場恐怖によって日常生活に支障が出ることも少なくありません。
外出を控えたり仕事に行けなくなったりするなど、病気の影響は大きいものです。
また、パニック発作で起こる身体症状や精神症状はコントロールが難しく、周囲の人に理解されにくいという苦悩もあります。
「パニック発作で死ぬことはない」といわれますが、パニック障害は本人にとってとても辛い病気です。
パニック障害で悩む患者さんも周囲の人も、まずは病気について知るところから始めましょう。
参考文献
パニック障害・不安障害|みんなのメンタルヘルス総合サイト
パニック発作とパニック症|MSDマニュアル

