
漫画「電気工事士マンガ 転電虫」のカット(貴泉さん提供)
電気工事士(時々漫画家)の貴泉さんの漫画「電気工事士マンガ 転電虫」が、Xで話題となっています。
電気工事士として働いている作者。現場ならではの「あるある」や個性的な作業員を描いた作品に、「電気工事士のリアルな裏側が分かる!」と、読者からは驚きの声が上がっています。
虫とガチバトル!夏の夜間作業は想像以上にハード
貴泉さんは、Xやブログ「転電虫」で電気工事士の漫画を発表しています。貴泉さんに作品について話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
貴泉さん「子どもの頃から絵を描くことが好きで、これまで風刺漫画や4コマ漫画を描いたりしていました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。
貴泉さん「40歳で電気工事士に転職し、建設現場で働くことになりました。現場のことは何も分からないスタートでしたが、仕事を続ける中で、さまざまな失敗や面白い出来事、そして職人さんたちとの出会いがありました。それらを漫画にしてみたいと思い、電気工事士漫画『転電虫』(てんでんむし)を描くことになりました」
Q.ヘッドライトに虫が大量に集まってきたとき、どう対処しましたか。
貴泉さん「とにかく虫が大量に集まり、顔を目がけて飛んでくるので、早く終わらせるために、休憩なしで作業をしました。作業が終わり室内に入ったときは、眼鏡もかなり汚れ、作業着の中にまで虫が入っていて大変でした」
Q.床下から顔を出して住人に驚かれたときは、どう対応したのでしょうか。
貴泉さん「住人の方は、床下工事のことは承知されていましたが、畳の部屋に点検口があるとは知らず…。私の首だけが見えた瞬間に、『キャー!』と驚かれてしまいました。そしてすぐに『すみません…』と声を掛けてくださり、私も『驚かせてしまってすみません…』とお伝えし、最終的には笑い話になりました」
Q.「サボりの達人」ロックさんについて、この他にも印象的なエピソードはありますか。
貴泉さん「『姿が見えないときは、作業車の中でたばこを吸っている』というのは日常茶飯事です。『腰が痛い』と言ってサボったりすることもあるのですが、床下で昼寝をしているところを見つけたときは、心臓が止まりそうになりました。本当にアレだけはやめてほしいです…」
Q.狭くて暗い場所で作業することが多そうですが、一番大変だと感じることは何ですか。
貴泉さん「一番大変なのは、体勢が変えられないところです。配管や配線をしたり、その配管を固定したりする際に、作業がやりやすいような体勢になりたいのですが、狭くてなかなか体を動かせず、無理な体勢で作業しなければならないのが大変です」
Q.今回の作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。
貴泉さん「『夏場の夜間作業では、虫が結構やっかいですよね』『ヘルメットをかぶった生首って…』『サボり癖のあるベテラン職人さんと一緒の現場は大変ですよね』などの感想をいただきました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
貴泉さん「失敗談、面白い現場や職人さんなど、建設現場に少しでも関心を持っていただけるような漫画を描いていきたいと考えています。また、オリジナルストーリーの漫画も制作中なので、SNSなどに掲載して、多くの方に読んでいただけたらと思っています」
