
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は2025年9月7日にこう1さんがX(旧Twitter)に投稿された『太陽系最強のかぐや姫が決まるおはなし』をピックアップ。
この作品は2017年にこう1さんが同人誌のなかで発表したもので、『はしくれ工房短編集2 素描』に収録されている。こう1さんが過去の作品をX(旧Twitter)に投稿されたところ、2,000件を超える「いいね」と共に多くの反響コメントが寄せられた。本記事ではこう1さんにインタビューを行い、本作について語ってもらった。
■かぐや姫が月に帰るのも容易ではない⁉

いまは昔、竹取の翁といふもの有けり…で始まる竹取物語。物語のとおり、かぐや姫が月に帰ろうとしていたところ、どこからともなく聞こえてきた「待ちな」の声。振り返るとそこには「我こそが真のかぐや姫」の名乗る姫君たちが…。
「真のかぐや姫」として月に帰れる権利はたった一枠。その狭き門をかけて各国代表の姫君たちが死ぬ気のバトルを繰り広げる。果たして勝ち残ったかぐや姫は誰なのか、そして勝者を待ち受ける新たな敵とは…。最初からトップスピードで駆け抜ける抱腹絶倒のバトル漫画に「腕力で明後日の方向にぶん投げるマンガ」「とっても好き」「よくわかんないけど好き」など、読者から多くの反響が寄せられている。
■こう1さん「自分が影響を受けたものの集合体」

――『太陽系最強のかぐや姫が決まるおはなし』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
漫画アシスタントとしてお世話になっていた時期、その職場での何気ない会話から生まれたアイデアです。
時代背景などおかまいなしで世界各国を代表するかぐや姫がいたら楽しいよね、ぐらいの適当なノリでした。
その後数年間は脳内で眠ったままでしたが、ある時「あー落描きがしたい!!!!」とやけくそになったタイミングがあり、2日ぐらいで描いてコミティア(オリジナル系同人即売会)にコピー本として持ち込みました。勢いだけで生まれた漫画です。
――最後までスピード感溢れる新解釈『かぐや姫』が痛快です。制作するうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
最後はもう投げっぱなしでいいや、ぐらいの気持ちでとにかくスケールを大きくしていこうと思いました。実際投げっぱなしの爆発オチになりました。
ラスト3ページでいきなりBGM(?)が流れ出しますが、あれは『サイドカー刑事』という90年代の漫画のオマージュです。
初めて読んだ時にショックを受けてしまい、ずっと心に残り続けています。
絵が雑すぎて比べようもありませんが、ドラゴンボール的な爆発の表現になっているコマもあります。
自分が描くものって「自分が影響を受けたものの集合体なんだなー」と改めて思います。こんな漫画でそんなこと語るのもおこがましいんですが……。
――各国出身のかぐや姫たちや繰り出す必殺技の名前もクスっとさせられるものばかりでした。名前をつけるときのこだわりがあればお教えください。
やりたい放題の展開だったので少しでもかぐや姫要素を残したいと思い、一部は原典の竹取物語に登場する宝物の名前を使わせていただきました。
仏の御石の鉢→ミイシポット、蓬莱の玉の枝→タマ=ノエダ、龍の首の玉→ドラゴンズボール、など。
ただ、それだけだとどうしても足りないので他は雰囲気でなんとかしました。色々パロディありきですがなんとかなってるといいな……と思います。
ちなみにインド代表のダルマトンは単に僕が好きなカレーの種類です。
――本作はかなり前に発表された作品ですが、最近の作品についてもご紹介いただけますか?
『竹取物語』を描いた後、別名義で連載させていただいていたりしたのですが、体調を崩した関係で漫画描きをしばらくお休みしておりました。
ようやく最近また少しずつ描き始めたところなので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。Xやpixivなどにも新作を投稿してまいります!
――活動を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
制作ペースが遅くて作品数も少ないのですが、それでも読んでくださる読者さまのおかげでなんとかやっております。
続けられる限りは続けていこうと思っております。またこうして目に留めていただけるものが描ければうれしいです。
ありがとうございました!

